Q　悪い結果が出そうな案件について、どのように進めればよいですか。

クレームの本質

（１）クレームは、現実と期待のギャップで生じます。したがって、そこを埋めるのは弁護士の仕事です。

（２）「ほぼ勝てます。」→「負けるかもしれません。」→「五分五分です。」→「ワンチャン勝ちを狙いましょう。」と少しずつ、期待値を調整することもあります。

弁護士は悪くない？

（１）そもそも、最初の見通しは依頼者の説明だけしか材料がありません。
（２）最初の段階で、依頼者の言い分のみを信じて、見込みを述べるかは、ケースバイケースです。
（３）最初の段階で、「あなた（依頼者）の意見を信用してません。だから、これくらいです。」とはいえません。

当初の見込み

（１）当初の見込みの伝え方としては、「あなたの言い分どおりだと、１００となる。しかし、裁判の結果は保障できいないので７０ぐらいです。」と伝えるしかありません。

（２）当初の見込みの伝え方が悪いのではなく、多かれ少なかれ、このような状況は発生します。

弁護士としてするべきこと

（１）難しいことではありません。
　「やばいな。」と思う案件ほど、依頼者に、現状の説明を小まめにする。それだけです。

（２）打ち合わせの時間をもらって、事件の概要、争点、当事者の主張、証拠、見込みを伝えます。

（３）言い方としては、「負けるかもしれません。」→「五分五分です。」→「ワンチャン勝ちを狙いましょう。」と少しずつ、期待値を調整することもあります。

弁護士としての腕

（１）「弁護士としては、結局、嘘をつく依頼者の案件を受けてはいけない。」　もしくは、「当初の説明と違う事実が出てきたのであるから、自分の責任である。」と理解してくれる依頼者でなければ、案件を受けれない、という結論に落ち着きます。

（２）これらは、経験的に蓄積されていいくものでもあります。