Q 通知書(内容証明)を作成するときのポイントを教えて下さい。
2025/06/13 更新
通知書(内容証明)での交渉
(1)通知書は、以下の形で記載します。
①こちらの提案(こちらの要求)
②こちらの提案(こちらの要求)に応じられなかった場合の、こちらの予定を伝える。
③①に応じるメリットを説明する。
(2)なお実際には、①こちらの提案(こちらの要求)については、(ア)請求の根拠(事実の経緯)と、(イ)具体的な請求に分けて記載することになります。
(3)具体的には、以下のように記載します。
請求の根拠
第1 経緯 (1)令和5年6月◯日、A氏はB氏に対し100万円を貸し付けました。 (2)しかし、B氏は、そのお金を一切返金しておりません。 |
具体的な請求
第2 A氏の請求 (1)令和7年◯月◯日までに、B氏は100万円を下記の口座に入金下さい。 (2)入金の手数料はご負担下さい。 記 〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号 0000000 名義 ベンゴシ アズカリキン 弁護士 預り金 |
今後の予定
第3 今後の予定 上記日程までに返済がない限り、B氏に訴訟提起します。 その場合には、B氏の住所に対し、裁判所から訴状が届くことになります。 |
金額請求と交渉のテクニック
1 金銭請求
(1)金額の提案は、典型的な交渉局面の一つです。
(2)金額を提案し、その金額での解決のメリットを説明することになります。
(3)相手方を動かすのは、その提案が相手方にとってメリットがあるからです。なぜ、その金額で納得するのが得なのかを説明することになります。
2 主なテクニック
(1)交渉は、商談です。
相手方と合意するには、相手方に納得してもらうことが必要です。したがって、相手方の立場で行動するのも鉄則です。
解決策を提案し、その解決案を承諾することのメリットを説明することになります
(2)3つの説明
①こちらの要求、②要求に応じなかった場合のこちらの予定、③②と比べた場合に①の選択肢が相手方にとってメリットがあることを説明することが大切です。
この過程を経て、メリットを説明します。
請求する金額の根拠を考える
(1)最初に提出する示談案は、①算出根拠があること、②相手方が納得しえるものであることが必要です。
(2)示談交渉に失敗すれば訴訟になります。逆に言えば、相手方は示談を拒否して訴訟(判決)を選択することができます。示談は、相手方が示談することを選んで頂いて初めて成立します。示談の提案は、①算出根拠があること(相手方を納得するだけの理由を説明できること)、②相手方にとって(結果の見えない)訴訟よりも魅力的な提案であることが必要です。
(3)あまり、不適切な示談条件を出すと相手方を怒らせてしまうので、注意が必要です。
交渉決裂も検討する
(1)示談交渉が決裂した際の不利益について検討しましょう。
(2)示談交渉に失敗すれば訴訟になります。逆に言えば、示談交渉をあきらめて訴訟(判決)を望むことができます。あなたが示談交渉において譲歩できる条件は、示談交渉が決裂した際の不利益分までです。
(3)したがって、譲歩できる範囲を明確に考えておくことが必要です、示談交渉が決裂しても不利益が小さければ、強気に交渉できます。