Q 「絶対に和解しない。」と述べている依頼者にも、和解を勧めた方がよいですか。
2025/12/27 更新
依頼者が「絶対に和解しない。」と述べているときにも
(1)私は、和解するかどうか、後で考えられます。まずは、和解提案をもらいましょう、と提案します。
その理由は二つです。
(2)そもそも、和解提案をもらっていない段階で、和解を拒否するのは合理的ではないからです。
あくまで事実を伝えて、その事実を知ったうえで判断するのは依頼者です。
しかし、和解提案という情報をもらってくるのは、弁護士の仕事であり、依頼者にメリットがあるからです。
(3)和解提案をもらうことで、依頼者が和解を拒否するかどうか判断することになります。
この時点で、和解を拒否するデメリットを説明することになります。
したがって、和解提案の過程を経ることでクレームを大きく下げることができます。
説明責任の本質
(1)和解提案をもらっていない段階で、和解を拒否するのは合理的ではありません。
ここで、「依頼者の希望です。」「依頼者が納得済みです。」と考えるのは乱暴だと考えます。
依頼者が 和解提案という情報をもらう(事前に裁判官の見込み)を知るメリットについて理解できていないから、拒否していることが多く、これらを提供して、そのうえで依頼者が判断する問題だと考えるからです。
(2)依頼者が理解できていないのに、「お客様には説明済みである」「お客様が選択したからお客様も理解してくれている。」と信じるのは矛盾している、といえるでしょう。
クレームの本質
(1)クレームは、現実と期待のギャップで生じます。したがって、そこを埋めるのは弁護士の仕事です。
(2)裁判所が考える見込みを伝えたうえで、依頼者が和解提案を拒否するかどうか判断します。
(3)この経過によって、依頼者の期待と、見込みのギャップを埋めることができます。






