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弁護士業務の流れ

Q 訴訟上の和解にて、被告本人が長期間の分割を希望してきた場合に、被告本人を説得するために、被告代理人はどのように進めたらよいでしょうか。

2025/12/09 更新

訴訟上の和解

(1)訴訟の進展を考えると、ここで和解した方が依頼者である被告にとって得である。

(2)しかし、被告本人は金額に納得したが、長期の分割を希望している。

(3)もっとも、原告はこれでは納得しない。

(4)そんなときには、被告代理人としては、どのように話を進めるべきか。

訴訟上の和解の和解の進行

裁判官

 「本日はよろしくお願いします。」

裁判官

 「先日提案させて頂いた和解案について、被告代理人からは、10万円の60回払いであれば、とうかがっています。」

 「この点について、期日前に原告代理人に電話したところ、さすがに、60回だと5年を超えてしまうので、承諾できない、というお話がありました。」

 「そこで、どのように調整するか、という問題となっています。」

 「ここからは、個別にお話をお聞きする、ということでよいでしょうか。」

原告代理人

 「はい。」

被告代理人

 「はい。」

裁判官

 「それでは、被告代理人と個別にお話します。原告代理人は退出して下さい。」

原告代理人

 「はい。」

裁判官

 「それでは、会議室をロックしました。」

 「被告代理人、60回ですと、5年以上の分割になります。何とかなりませんか。」

被告代理人

 「まず、本日の期日までに、被告本人と話しまして、支払い義務があることと、総額については納得を頂きました。」

 「次には、分割払いの条件だけが問題になる。」というところまで、一歩進んだという認識です。

1 訴訟上の和解
(1)訴訟上の和解では、裁判所が金額を決める。
(2)訴訟上の和解を拒否することはできる。しかし、金額については当事者は、意見を言わないのがルールである。
(3)原告は金額をアップしたいし、被告は下げたい。当事者が意見を言えば何も進まなくなるからである。
2 被告からのOKの取り方
(1)被告本人からのOKの取り方も、まずは、総額の承諾を得るべきです。
(2)その後、支払い方法(分割回数)について協議する、という段階で考えればよい。

被告代理人

 「この内容では、原告側が飲めないのは理解しています。」

 「しかし、これは、被告の希望です。」

 「可能であれば、裁判所の方で〇〇なら、と具体的な指示を頂ければ、被告として持ち帰りやすいです。」

裁判官

 「なるほど。」

被告訴訟代理人

 「できれば、次回期日は1か月先に設定する。」

 「被告は2週間で、検討結果を裁判所に対し回答する。」

 「その後に、裁判所は原告(代理人)と協議して、再度、被告(代理人)に回答頂く。」

 「お手数ですが、裁判所に間に入って頂き、2回から3回のラリーで話を進めることを希望ます。」

裁判官

 「ご主旨は分かりました。」

 「一度、原告代理人の意見を聞いています。」

 告が和解に承諾するという話に変更がないか確認する必要もあります。」

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裁判官と原告代理人が話をする。

次に、再び、裁判官と被告代理人と話をする。

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裁判官

 「原告代理人とお話をしました。」

 「原告代理人としては、頭金〇〇円、残りは〇〇の分割なら、」とお話をされていました。

 「なお、原告代理人としても、原告の承諾をとった内容ではない。」ということです。

被告代理人

 「それでは、その案を裁判所案ということで回答頂くことは可能ですか。」

原告の案ということであれば、被告は自分が承諾すれば、和解が成立すると期待する。
裁判所の案であれば、原告も承諾していない。被告は自分が承諾しても、原告が承諾しない可能性がある、ということです。

裁判所

 「原告代理人ともう一度話します。」

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裁判官と原告代理人が話をする。

次に、再び、裁判官と被告代理人と話をする。

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裁判官

 「原告代理人も、その形でよいのとのことでした。」

 「裁判所としても、頭金〇円、残額について、毎月〇円の10回払いを和解提案額とさせて頂きます。」

 「それでは、三者が参加する対席に戻して次回期日を決めたいと思います。」

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裁判官

 「それでは、両代理人が出席の形で次回期日を決めたいと思います。」

裁判官

 「2週間ほどで、被告代理人が、「頭金〇円、残額について、毎月〇円の10回払い」という和解案について検討する、という予定で大丈夫でしょうか。」

被告代理人

 「はい。」

裁判官

 「回答の内容によりますが、その内容を裁判所から原告に伝えて、再度、原告から裁判所に伝えていただく。」

 「次回期日までに裁判所が間に入って調整する。」ということで大丈夫でしょうか。

被告代理人

 「はい。」

原告代理人

 「はい。それで大丈夫です。」

裁判官

 「被告代理人はどのような形で、回答してくれますか。」

被告代理人

 「〇日まで、裁判官に電話して回答します。」

裁判官

 「被告代理人が〇日までに回答とのことでしたので、次回期日は〇月〇日10時はどうでしょうか。」

被告代理人

 「お請けできます。」

原告代理人

 「お請けできます。」

裁判官

 「それでは、次回期日は〇月〇日10時とします。」

被告代理人

 「次回期日が〇日ですと、持ち帰る和解案の支払日は〇日でよいですか。」

原告代理人

 「それは仕方がないと思います。」

裁判官

 「ありがとうございます。」

 「裁判所の和解案は、頭金〇円、残額について、毎月〇円の10回払い、初回の支払い日は〇日」とさせて頂きます。

 「よろしくお願いします。」

 和解金の支払い日は、例えば、10月5日の期日であれば、11月5日もしくは、11月末日が初回支払日となることが多い。
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