Q　質問のコツを教えて下さい。

（主尋問では）誘導の原則禁止

（１）質問者が「〇月〇日に、ＡさんはCさんと会って〇〇の話をしたのですね。」という質問をして、証人等が「はい。」もしくは、「いいえ。」と答えます。

（２）このように、「はい。」「いいえ。」のどちらかで答える質問を誘導質問といいます。

（３）誘導質問が多いと、証人等が本当にそのことを見たのか、経験したのか分かりません。

（４）誘導質問は禁止されています。

二つの質問をしてはいけません。

ダメな例

弁護士の質問
　「あなたが運転している車がぶつかったとき、どんなことが起きましたか。」

解説
　車がぶつかったとすれば、大きな衝撃、大きな音、車の中のものが動く等いろいろなことが起きます。一つの質問のようでいろいろな質問をしてしまっています。

訂正例

弁護士の質問
　「あなたが運転している車が何かにぶつかりましたよね。そのとき、どんな音がしましたか。」

解説
　音や、衝撃は、証人に表現してもらうことは難しい。後に述べるようなテクニックを使って、より詳しく質問すべきです。

質問の意図を明確にしましょう。

ダメな例

弁護士の質問
「Ａさんは、Ｃさんをどんな人物だと思いましたか。」

解説
　質問の意図が「どんな人物という質問であれば、信用できる人という意味なのか。」「好きなのか、嫌いだと思ったのか。」不明です。

ダメな例

弁護士の質問
　「Ａさんは、Ｃさんに初めてあったとき、Cさんは何をしていましたか。」

訂正例

弁護士の質問
　「Ａさんは、Ｃさんに初めてあったとき、Cさんはどんな仕事をしていましたか。」

解説
　何を聞くのか、回答の範囲を限定して聞くのが鉄則です。限定して、音や、衝撃は、証人に表現してもらうことは難しい。後に述べるようなテクニックを使って、より詳しく質問すべきです。

参考

　中村真「若手法律家のための民事尋問戦略」２６頁以下