Q 陳述書はどのようなことを記載しなければならないですか。
2025/11/23 更新
陳述書
（１）陳述書は、証人等が、証言する予定の内容を記載した文書です。
（２）陳述書では、証人等が証言する内容をあらかじめ知らせるものであり、主尋問の補完機能があります。
例えば、重要でないことや、争いのないことについては、陳述書で事前に伝えたとおりであるとして、争点についてのみ証言してもらう等の使い方をします。
（３）陳述書には、主尋問の内容を知らせるという意味で、証拠開示機能や、争点整理機能もあるとされます。
陳述書には以下の事実を記載する。
１ 証人の自己紹介
（１）証人の立場等を記載し、なぜ、本件で証人として証言するのが適切なのかを記載します。
例えば、私は、〇年から〇年までAの上司であった。（Aの仕事ぶりを見てきた）。（したがって、Aの解雇に正当事由があるか証言するのが適任である。）などを記載します。
（２）具体的には、「私は〇年に入社し、業務内容は〇〇です。」という記載をして、導入的な話を記載します。
２ 争点についての証人の認識
（１）事実上の争点に関し、証人が経験した事実について記載します。
（例えば、過失があるかは、裁判所が評価することです。これは法律上の争点です。しかし、信号の色は事実上の争です。）
（２）いつ、誰が、誰に何をしたのかを記載します。
３ 重要な証拠を登場させる
（１）陳述書は、証人等が、証言する予定の内容を記載した文書です。
（２）証人等には、重要な証拠についての関わり合いや、認識を聞く必要があり、これらについてどう思っているかも聞いて記載します。
（３）不利益な事実（不利益な証拠）についても、証人等に聞く必要があり、これも記載します。
４ 時系列で並べる
（証人が経験した事実について、）具体的な時系列にそって、並べて記載します。
陳述書は簡潔に記載する。
（１）陳述書は、主尋問の内容を記載する書類です。
（２）主尋問は打ち合わせたうえで証言するものです。詳細に述べたとしても、打ち合わせの結果として評価される可能性が高く、裁判所に真実を語っているとアピールできるわけではありません。
（３）主尋問も簡潔にすべきであり、陳述書の簡潔であるのが適切です。
