大株主との対話
2024/09/16 更新
大株主との対話
(1)経営者は、大株主に定期的に合う必要があります。
(2)株主は、経営者に対し業績等について厳しい質問をするかもしれません。
(3)しかし、経営者にとって大株主と合うことで、どの株主が短期的な利益を狙い、どの株主が長期的な利益を狙うかを判断できます。
また、経営者にとっては、大株主として専門的な検知でのアドバイスを受けることが可能となります。例えば、どんな業界で、どんな企業に対し敵対的買収が行われているのか業界的な情報を得ることもできます。
会社の方針を伝える
(1)経営者は、どういう方針を目指しているのか、を株主に伝えることで、株主の行動を予想することが可能です。
(2)大株主に長期的な利益を約束し信頼してもらい、安定的な株主となってもらうことが経営権争奪紛争のリスクを下げることになります。
投資家との面談に慣れる
(1)株主や投資家は、経営者に対し、会社の業務・財務や競争優位性、人事、報酬について質問してくることが考えられます。
(2)経営者は、どこまで、答えられるかをトレーニングする必要があります。
(3)インサイダー取引に繋がるような情報を提供することはできません。
(4)その場で答える必要はなく、最初は、持ち帰って答えるというスタンスでもよいでしょう。
スケジュール
(1)例えば、2年ごと、上位20名の大株主に1回ずつ会うと決めて、スケジュールを決めましょう。
(2)インデックス運用する株主、長期投資をする株主、株式を手放した元大株主等、株主をジャンル分けして、スケジュールを決めるのも有効です。
話す内容(話した内容)
(1)インサイダー取引に繋がるような情報を提供することはできません。実際には話せる内容は先に書面にしておくべきでしょう。
(2)インサイダー取引等の疑いを持たれないように、株主への情報開示としてこれらの情報も積極的に公開しましょう。
(3)株主と約束した内容は、実行しましょう。
敵対的な株主の視点で考える。
(1)敵対的な株主は、資本効率(経営効率)の悪い会社の株式を取得して、業績の改善を求めます。
(2)したがって、他業種と比べての、資本効率(経営効率)をチェックすることが必要です。
(3)好調な部門の資金を低迷している部門に回すことがありますが、これは慎重であるべきです。V時回復等がありえるなど、投資として有効性を説明できるかが、問題となります。
(4)敵対的な株主の対策としては、結局、他の株主との協力関係を築くことにほかなりません。
事前に、大株主と良好な関係を築くことで、敵対的な株主の情報を得たり、有事は一緒に戦ってもらうことが可能となります。
参考
ハーバードビジネスレビュー2021年11月号106頁以下