発注者の個人事業主に対する健康管理(ガイドライン)
2024/08/27 更新
安全配慮義務
(1)企業が、フリーランス(個人事業者)に仕事を発注した場合に、企業(発注者)は、フリーランス(個人事業者)に対し安全配慮義務を負うのか。
(2)判例は、安全配慮義務は、労働者と同じ場所で働く労働者以外の者も保護する趣旨であるとされています(最判令和3年5月17日判決)。フリーランスには、労働者に準じた保護が与えられるべきであり、安全配慮義務が適用される可能性がある、といわれています。
個人事業者等の健康管理に関するガイドライン
(1)個人事業者等の健康管理に関するガイドラインでは、注文者等が実施すべき事業として、①長時間の就労による健康被害の防止、②メンタルヘルス不調の防止、③安全衛生教育や健康診断に関する情報の提供と受講・受診機会の提供等、④健康診断の受診に関する費用の配慮、⑤作業場所を特定する場合における適切な作業環境の確保の⑤つの項目を挙げている。
(2)また、同ガイドラインでは、個人事業主等がこれらの実施を要請したことを理由に、契約の途中解除や契約の更新拒否など不利益な取り扱いをしてはならない旨が記載されている。
(3)なお、あくまで、同ガイドラインは配慮を求めるものであって、どのような状態であれば安全配慮義務が発生するのかを明記したりはしていない。
参考
ビジネスガイド2024年8月号108頁