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予防法務

Q パワハラ・セクハラを理由に解雇は難しい。ではどうすればよいのか。

2025/12/15 更新

パワハラ・セクハラを理由に解雇は難しい。

(1)パワハラ・セクハラを理由に社員を解雇しようとしても、訴訟で立証できないことがあります。

(2)被害を訴える社員が、その話を理由にすると、私が供述したのがばれると躊躇しするからです。

(3)我慢していた社員がうつ等になって、社内で問題になったときには、会社では早急な対応が必要ですが、社内では処分を支える証拠集めがほとんどできていないことがほとんどです。

リスクを覚悟で解雇する

(1)一つの選択肢としては、不当解雇で争われるリスクを承知で解雇することです。

(2)解雇訴訟では、その途中で解決金の支払いで解決するケースが多く、これを見越して訴訟します。

(3)てきぱきと訴訟を進めて1年程度で判決をもらい、その時点で、他の社員と相談するという方法もあります。

 そのころには、加害者がいなくても会社は回るようになっています。(解雇する程度ではないが)パワハラの事実が認められるケースがほとんどであり、在宅勤務等の仕事をまとめて、お願いする等の解決もあります。

正式な調査をして、仕事の内容を監視していく

(1)もう一つの方法としては、早々に調査をまとめて、加害者を監視のプロセスに乗せることを第一目的にするのが現実的です。

 監視を正当化できることを目的に、他の社員の協力を得られるか検討するのが現実的です。

(2)まずは、被害者の複数の社員を説得して、調査に協力してもらうことになります。

(3)調査結果がでれば、加害者の社員に説明して、退職勧奨します(社員の同意による退職を促す)。

(4)退職勧奨に応じない場合には、問題社員として、仕事ぶりを監視していく方法です。

(5)露骨に監視するにも、正当理由が必要です。したがって、調査結果で疑わしい、もしくは、不適切な対応があったことまでは確認をする必要があります。

セクハラ、パワハラの認定レベルを下げていく

(1)今後の予防策としては、会社にて「怒らない。」「不適切な対応をしない。」という「セクハラ、パワハラとはいえないまでも、会社の雰囲気が悪くなるような行為を禁止する」方針を決めることです。

(2)例えば、社内チャットを利用して、社員間の個別のチャットを上司が監視できるようにするなど、トラブルを避ける工夫をしていくことも大切です。

(3)会社として、「パワハラ紛いの行為をしなくても、社員に指導できるようにする」ことを求めて、要求されるマネージメントのレベルを上げていくことが必要です。

(4)これができれば、セクハラ、パワハラが認定できなくても、管理職を監視しもしくは、そのマネージメントの能力アップを支援することができるかもしれません。

(5)最近では、AIによる文字お越し等が簡単にできます。管理職の普段の様子を記録化して、相互の勉強会に使うなど、パワハラ以前の行為前まで監視する意向を決めれば、より穏やかな解決を目指していけます。

現実論として、解決は難しい

(1)なお、人はなかなか変われません。

(2)したがって、監視のプロセスをとっても、パワハラする人がパワハラをやめることはありません。

(3)しかし、監視のプロセスをすることで、会社として対応できる幅が増えます。

参考

 ビジネスガイド2028年1月号16頁

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