Q 企業はカスハラ(カスタマーハラスメント)対策について、どんな義務を負ってますか。
2025/12/26 更新
労働施策総合促進法の改正
(1)正式名称は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」です。
(2)令和7年6月11日に、労働施策総合促進法の改正法が交付されました。
(3)改正法の施行日は、公布後1年6か月以内とされています。
労働施策総合促進法の改正法
1 定義
(1)改正法により、カスハラ(カスタマーハラスメント)が初めて、定義されました。
(2)カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、職場で行われる顧客、取引先の言動であって、社会的に許容される範囲を超えるもので、労働者の職場環境を害するものです(改正法33条)。
2 企業の対応義務
企業は、カスハラ(カスタマーハラスメント)について、適切な対応策を講じる義務があります(改正法33条1項)。
3 研修の努力義務
企業は、カスハラ(カスタマーハラスメント)について、社員に対し研修等をする努力義務があります(改正法34条2項)。
| 改正法第33条 1項 事業主は、職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者 (次条第5項において「顧客等」という。)の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの (以下この項及び次条第1項において「顧客等言動」という。)により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、労働者の就業環境を害する当該顧客等言動への対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。 (以下、省略) 改正法34条 2項 事業主は、顧客等言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の事業主が雇用する労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。 |
カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
(1)厚生労働省が、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを公開しています。
(2)これを参考に、企業として対策を検討する必要があります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24067.html
参考
自由と正義2025年12月号36頁






