Q 会社の役員が会社法もしくは定款の人数を下回った場合、退任した役員はいつまで、役員としての責任を負うのか。
2026/01/05 更新
会社法346条
(1)会社の役員が会社法もしくは定款の人数を下回った場合、任期満了もしくは辞任した役員は、後任が就任するまでは、役員としての責任を負う(会社法346条)。
(2)後任が決まるまでの間、役員を不在にしておくわけにはいかないために設けられた。
(3)同規定については、会社法423条や会社法429条の損賠賠償請求を理由に元役員に対する損害賠償請求がされた場合に問題となる。
(4)判例には、退任後一定期間が経過した場合には、退任した役員が役員としての責任を負うことを前提としつつ(会社法346条の適用を認めつつ)、同請求が権利濫用にあたるとしたり、会社法429条の重過失を否定したりしています。
| 会社法346条 役員等に欠員を生じた場合の措置 1項 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2項 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3項 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (省略) |
福岡地判令和6年10月11日
(1)Yは、会社の代表取締役であったが、会社の株式をA社に売却し、役員を退任したが登記がそのままとなっていた(なお、交付金詐欺事件の発覚後に、Yは辞任登記を求める訴えを提起して、その後に登記をしている。)
(2)その後、その会社名義で交付金詐欺事件が起き、同社に対し損害賠償請求がされた。
(3)会社の株主Xは、株主代表訴訟として、会社法423条による損賠賠償請求を理由に元役員であるYに対する損害賠償請求をした。
同人主位的請求は、Yが交付金詐欺に加担したいう内容であり、予備的請求としては、会社法346条により、責任を負うというないようであった。
(4)判決では、主位的請求について、Yが交付金詐欺に加担したいう証拠がない。予備的請求については、同請求が権利濫用にあたるとした。
参考
判例タイムズ1538号243頁
「会社の役員が会社法もしくは定款の人数を下回った場合、任期満了もしくは辞任した役員は、後任が就任しなければいつまで、役員としての責任を負うのか。」という点について詳しい説明がされている。






