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予防法務

Q 副業・兼業を禁止することができるのは、どのような場合なのか。

2025/05/11 更新

副業・兼業と会社のリスク

(1)会社は、労働時間に限り、社員に対し命令を出す権限を持っています。したがって、それ以外の時間については、会社は何ら要求することができないのが原則です。

(2)したがって、以下のように合理的理由がある場合に限って、会社は副業を禁止できます。

 ①本業に支障が出る可能性

  深夜のアルバイトが原因で、本業で居眠りする。

  アルバイトのために、本業での残業を断る。

 ②企業秘密を漏洩する可能性

  協業他社で働き、会社のノウハウを他の会社で活用してしまう。

 ③会社の名誉や信用を既存する可能性

  会社の裏話をyoutubeで話していまう。

  (参考 ビジネスガイド2025年2月号108頁)。

 ④協業して、会社の利益を損なう可能性

  協業の会社を起こして、会社のノウハウを他の会社で活用してしまう。(②と④は、重なることが多い。)

 ⑤社員の体調管理に問題が生じる可能性

  アルバイトを含めると長時間残長となって、体調を崩す。

判例

①本業に支障が出る可能性

東京地決昭和57年11月19日労判397号30頁
 建設会社の事務員が、就業時間後、午後6時から午前0時までキャバレーで会計係等として勤務することを約11か月間継続していたこと等をもって普通解雇とした事案について、勤務時間が6時間に及び時間が4深夜に及ぶことから、労務の誠実な提供に支障を来す蓋然性が高いとして、実際に業務時間中に居眠りをしていたや残業を避ける等の行動も存在したことから、普通解雇を有効と判断した。

東京地判平成20年12月5日判タ1303号158頁
 教授が授業を休講して何日も通訳を行っていたこと等をもって懲戒解雇がされた理由について、教授の同時通訳は、政府機関等が実施する国際会議においてであり、公的な職務と評し得ないこともなく、これらのための休講等が正当な理由に欠けるとは断定できない。また、大学側が後に同じような目的での休講申請を許可したこともあること等をもって、懲戒解雇を無効とした。

京都地判平成24年7月13日労判1058号21頁
 大型貨物自動車の運転手によるアルバイト許可申請を4度にわたって不許可にしたことについて、労働時間が1日当たり合計15時間にもなるようなアルバイトの不許可については合理性を認めつつ、週に2日休日がある中の3時間程度就労するに過ぎないアルバイトの不許可については、不法行為に該当するとした。

④協業して、会社の利益を損なう可能性

東京地判平成2年3月23日労判559号15頁
 商品部長という要職にあった者が、勤務先と同種の靴小売店を経営したこや、商品納入会社にリベートを要求し、収受した行為と併せて懲戒解雇を有効と認めた。

⑤社員の体調管理に問題が生じる可能性

大阪高判令和4年10月14日労判1283号44頁

(1)勤務先と兼業先で働いていた者が、長時間残業が原因で適応障害を発症させた。勤務先と兼業先の勤務ではあるものの、勤務場所が同一の店舗 (給油所)であり勤務先と兼業先が関係にあり、長時間残業を把握できたとして、勤務先の安全配慮義務違反が認められた。

(2) 基本的には勤務先が兼業先での労働時間を把握することは困難であり、本件は特別の事情があった案件だと入れている。(参考 ビジネスガイド2023年6月号94頁)

参考

 自由と正義2025年4月号15頁以下

 ビジネスガイド2023年6月号66頁以下、

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