Q 消費者金融から通知書が届きました。消滅時効を主張するにはどのようにしたらよいですか。
2025/08/27 更新
消滅時効
(1)消滅時効は、5年間、請求しないとその請求が消滅する制度です。
(2)債権者から通知書が届いたり、訴状が届けば、まず、時効を検討します。
消費者金融の債権と時効
(1)例えば、消費者金融の借金は5年で時効になります。最後の弁済日から5年を経過しているときには時効を検討します。
判決を取られたり、消費者金融との弁済の合意書を締結していたりしなければ、時効を延長する旨の通知を 送るだけで債務が消滅することがあります。
(2)上記の通知を送った後に、電話にて消費者金融に時効の援用を認めるかどうか聞くことになります。
時効援用手続のメリット・デメリット
メリット
時効援用通知を送るだけで終了します。信用情報上の不払いの情報も消えます。特にデメリットがなく、時効援用の手続きができそうな場合には、同手続きを検討します。
デメリット
まずは、同手続だけで借金が全て消滅するケースは多くありません。最後の弁済日から5年を経過しており、かつ、判決を取られたり、消費者金融との弁済の合意書を締結していたりしないことが必要になります。
次に、同手続だけで借金が全て消滅するかは、通知書を送ってみて、消費者金融の反応を見てみないと分からいとうことがあります。
時効援用の手続をしたが、消費者金融から「判決を取得しており時効は完成していない。」と反論を受けて初めて、時効の更新事由を知ることも多々あります。
時効援用の手続
(1)催促状の収集
消費者金融は、契約時の住所、氏名、生年月日で債務者を特定している。依頼者から氏名変更や、住所変更を事前に確認し、氏名変更や住所変更があれば、これらを内容証明受に明記する必要があります。
債権者や当時の依頼者の氏名・住所を確認するために、依頼者には催促状、 返済の書類、カード等を持って来てもらうようにお願いします。
可能であれば、CIC、JIC、全銀協等の信用情報機関から借り入れの情報を手に言えることができれば、より確実です。
(2)内容証明の送付
内容証明と普通郵便を郵送します。
時効を援用したことを明確に記録化する必要があり、内容証明での通知が必要です。
内容は同じですが、内容証明には債権調査票を添付できません。そこで、 債権調査票も付けて、同じ内容の普通郵便も送っておきます。
(3)債権者への電話
上記の通知を送った後に、電話にて消費者金融に時効の援用を認めるかどうか聞くことになります。
(4)その後
時効が成立していれば、通知を送って終了です。
時効が完成した証拠として、債権調査票に、「債務なし」と記載してもらうようにお願いしましょう。
時効の完成と信用情報機関
(1)時効が完成すると、信用情報機関の履歴から削除することになっています。
(2)債権者に電話して、CIC、JIC、全銀協等の信用情報機関の情報を取り消す手続きをしたかを聞くこともあります。
時効が完成していない場合の手続
(1)時効が完成していなければ、①現時点での時効の満了日の確認、②現時点での債務額を確認します。
債権調査票に、金額を記載してもらいましょう。
(2)例えば、近々に時効が完成する場合には、それまで様子を見る方法があります。
例えば、依頼者の資力が乏しければ、債権者は訴訟提起等の時効中断の手続きをしてこない可能性があります。
逆に債権者が訴訟提起してきた場合には、再度時効の満了日が延長されることになるほか、遅延損害金も増えていくことになります。
(3)債務額を確認後に金、自己破産等の他の債務整理の方法を検討することもあります。