【受任通知】受任通知
2025/01/25 更新
このページを印刷受任通知の効力
(1)受任通知は、「依頼者が任意整理等の手続の準備をすること、今後、依頼者がに直接連絡することを禁じる」旨の通知です。
(2)受任通知を受け取った後、債権者(例えば、銀行・消費者金融)、依頼者に取立ての連絡することができません。
受任通知のデメリットと注意点
(1)自然人の場合、受任通知を送ると、個人の信用情報機関にて「債務整理」等と記録され、クレジットカードの使用や、ローン等の利用が難しくなります。
(2)今まで何とか支払いをしているようなケースや、過払い金請求が可能かどうかを検討しているケースでは、受任通知を送ってよいのか、再度、確認が必要です。
(3)過払い金請求のために資料を取り寄せるだけのケースでは、依頼者に事務所に来てもらい一緒に各社に電話して資料を取り寄せる方法もあります。この場合、受任通知を送りませんので、上記のような手違いは生じません。
(4)保証人がいる場合には、受任通知を送れば債権者は保証人に請求を開始することになります。
「過払い金」調査の受任
(1)受任通知を送ると、信用情報に「債務整理」等の記載がされます。
(2)受任通知に記載する受任の業務の内容(過払い金の有無の調査なのか、債務整理なのか、破産手続)なのかは、重要な事柄です。
(3)依頼者が滞納していない場合に受任通知を送ってしまうと、信用情報に「債務整理」等の記載がされてしまい、不利益を与えてしまう可能性があります。この場合には、通知書に「過払い金の有無の調査であること、債務務整理でもなく、破産手続でもないこと」を明記しなければなりません。
(4)依頼者が滞納している場合にであれば、もともと、信用情報に滞納という旨の事故情報が記載されています。この場合には、受任通知を送ると、信用情報に記載がされることを説明すれば足りるでしょう。
(5)「自由と正義」の2023年1月号の91頁では、上記の手続ミスで弁護士が懲戒された事例が記載されており注意が必要です。