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刑事弁護の流れ

【基礎知識】刑事事件の公判期日の流れ

2023/09/19 更新

刑事事件の期日の流れ

(1)認め事件は、以下のように進行する。

(2)認め事件は、第一回期日に弁論まで行い、次回期日に判決で終了する。

第一回期日の流れ

(1)人定質問(規則196条)

 裁判官が、被告人に対して、「本籍と住所が言えますか」と聞きます。

 ※ 被告人が本籍と住所を暗記しているのか、打ち合わせで確認してください。

(2)起訴状朗読(291条1項)

 裁判官が、「検察官に起訴状を読んでもらいますので、よく聞いてください。」と説明します。

 検察官が起訴状を読みます。

 起訴状には、いつ、どこで、人を包丁で刺した等の犯罪(事実)が記載されています。

(3)黙秘権等の告知(291条3項、規則197条)

 裁判官が、「言いたくないことは言わなくてよいという権利があります。しかし、法廷で話したことは、有利不利を問わず証拠になります。」と説明します。

(4)被告人の被告事実の陳述(291条3項)

 裁判官が、「検察官が読んだ起訴状記載の内容について、あなたがそのような行為を行ったということで間違いないですか」と聞きます。

 被告人は、「間違いありません。」と答えます。

※ 否認する場合には、「私はやっておりません」と答えることになります。

  ここでの回答内容は打合せしておく必要があります。

(5)弁護人の被告事実の陳述(291条3項)

 裁判官が、「弁護人ご意見は?」と聞きます。

 弁護人は、「被告人と同意見です。」と答えます。

 弁護人は、法廷で発言する際には立たなけばなりません。立ち上がって、「被告人と同意見です。」と答える必要があります。この点、新人弁護士は怒られることがあります。

(6)冒頭陳述(296条、規則198条)

 裁判官が、「検察官、冒頭陳述をどうぞ。」と言います。

 検察官は、冒頭陳述として、(起訴状と比べて)より詳しく犯罪(事実)を述べます。(犯行の動機、経緯、被告人の経歴、前科等もここで説明されます。)

(7)検察官請求証拠に対する意見(規則190条2項前半)

 検察官から、検察官請求証拠の証拠カードが配られます。

 裁判官が、「弁護人、検察官請求証拠に対しするご意見は?」と聞きます。

 弁護人は、「全て同意致します。」と答えます。

 ※ 不同意とする場合には、「○という証拠を除き同意致します」と答えることになります。

(8)検察官請求証拠の証拠調べ(305条、規則203条の2)

 裁判官が、「検察官、検察官請求証拠の要旨の告知をお願いします。」と言います。

 検察官は、証拠カードに従って、検察官請求証拠を説明していきます。

 例えば、検察官は、「甲1は、『被害者が〇〇と述べている』旨が記載された検察官調書です。」と口頭で述べます。
 例えば、検察官は、「甲3は、現場を〇〇の様子を撮影した写真が添付されている実況見分調書です。」と口頭で述べてます。

書証の取り調べ方法
 書証の取り調べの方法は、裁判官が、書証を読み上げる方法もありますが(305条)、検察官と弁護人が、要旨の告知をする(証拠の概略を裁判官に口頭で述べて報告する)方法もあります。

(9)弁護人請求証拠に対する意見(規則190条2項前半)

 裁判官が、「弁護人。弁護人請求証拠は何がありますか。」と聞きます。

 弁護人は、「書証があります。」と言って、証拠カードを配ります。

 裁判官が、「検察官、弁護人請求証拠に対しするご意見は?」と聞きます。

 検察官は、「全て同意致します。」と答えます。

 裁判官が、「弁護人、弁号証の要旨の告知をお願いします。」と言います。

 弁護人は、「弁1は、100万円の示談が成立したことを示す合意書です」と説明します。

書証の取り調べ方法
 書証の取り調べの方法は、裁判官が、書証を読み上げる方法もありますが(305条)、検察官と弁護人が、要旨の告知をする(証拠の概略を裁判官に口頭で述べて報告する)方法もあります。

(11)情状証人の証拠調べ

 裁判官が、「弁護人。弁護人請求証拠は以上ですか。」と聞きます。

 弁護人は、「被告人の奥様の証人尋問請求をします。」と答えます。

 裁判官は、「立証趣旨は何ですか」と聞きます。

 弁護人は、「今後の監護状況であり、時間は5分程度です。」と答えます。

 立証趣旨を「情状です。」と回答すると、裁判官からは、「情状では立証趣旨を回答したことにはならない。」と叱られることがあります。立証趣旨は、「今後の監護状況」等の具体的な中身を回答する必要があります。

 裁判官は、「検察官。ご意見は。」と聞きます。

 検察官は、「しかるべく」と答えます。

 情状証人とは、被告人の親族や雇い主等に、弁護人から質問に答えてもらう形で「今後、被告人が犯罪を犯さないように監督していく。」旨を法廷で説明してもらう手続きです。

※ 情状証人は、出廷する際に、宣誓書等を書いてもらうので、印鑑(認印)を必ず持ってきてもらうようにする。(被告人は印鑑は不要です。)

 尋問時間は5分程度が目安です。

(12)被告人質問(322条2項)

 被告人に、弁護人から質問に答えてもらう形で、本件の犯行、反省等を法廷で説明してもらう手続きです。

 尋問時間は5分程度が目安です。

(13)論告・求刑(293条1項、規則211条)

 検察官が、被告人の罪がどれだけ悪いのか述べ、○○の刑を受けるべきであると主張します。

(14)最終弁論(293条2項、規則211条の2)

 弁護人は、弁論要旨をここで配ります。

 弁護人は、被告人には罪を軽くすべき事情があると主張します。

(15)最終陳述

 裁判官が「被告人。最後に何か言いたいことはありますか。」と聞きます。

 ※ 被告人が最後に、5分程度話せるスピーチを用意するようにアドバイスしておきます。

(16)弁論の終結

 以上で、口頭弁論は終結します。

次回期日・判決期日

(1)判決期日は、判決の言い渡しを受けるだけです。

(2)5分程度で終わります。

 ※ 控訴する予定であるかは、先に被告人と相談しておくべきです。

第一審判決の言い渡しと保釈

(1)第一審では保釈されている被告人に対して実刑判決が言い渡されるとその直後に収監されます。

(2)この点は、被告人に事前に説明する必要があります。

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