【1on1ミーティング】信頼関係の構築(部下の悩みを聞く)
2023/11/05 更新
1on1ミーティング
(1)週に1回、上司が部下と直接話す時間を30分程度とります。
(2)1on1ミーティングでは、上司は9割、部下の話を聞くことに徹します。
部下の悩み聞くことは、マネージャーの仕事です
(1)心理的安全性の構築には、「この人に任せておけば大丈夫」という信頼関係(認知的信頼)と、「この人は私を裏切らない。私が困ったら助けてくれる。」という信頼関係(感情的信頼)を構築する必要があります。
(2)心理的安全性を構築することも1on1ミーティングの目的です。
(3)1on1ミーティングの時間を、部下のブライベートな悩みを聞くことに使ってもよいのです。
アドバイスはしてはいけない。部下の意見を要約してみよう。
(1)部下の悩みはまず聞きましょう。上司としての意見を述べてはいけません。
(2)カウンセリングやコーチング等を通じた相談者の思考を変える形での支援が必要になってきます。
(3)以下のプロセスを使って、部下に気付きを与えることが上司の仕事です。
以下は、部下ではなく、相談者と呼びます。
1 理不尽な考えであっても、まずは受け止めましょう。
(1)人は、それぞれ違う考え方を持っています。したがって、その考え方を否定せずに、受け止めてあげることが必要です。
例えば、自分勝手な人がいます。その人は職場でも孤立していきます。第三者から見れば、自業自得かもしれません。しかし、その人が孤立し、そのことで傷付いていることは事実です。
(2)「なるほど、遅刻してきたのは事実だけど、第三者の前で何時間も説教するのは許せなかったんですよね。」(事実確認すると、説教時間は、2,3分だった。)と、相談者の思いを受け止めましょう。
2 話を時系列にそって整理しよう。そのために、質問しよう。
(1)「ちょっと待ってくださいね。先ほど、8月21日に、山田君と言い合いなった。」件までは理解できたのですが、その後の話が分かりませんでした。そこからの続きをもう一度教えてもらえませんか。」
(2)興奮気味の相談者の話をもとに戻してあげて、時系列にそって話せるように誘導します。
(3)相談者の話を聞くことが大切ですが、相談者が時系列にそって話せるわけではありません。
(相談者から見た)当時の出来事を聞くためには、軌道修正が必要です。
(4)話を遮ることにはなりますが、混乱している相談者の話を整理してあげることになるので、最終的には、相談者に喜ばれることが多いです。
話を整理して、時系列にまとめてあげます。
結局、「〇〇さんの悩みは、△ということになるのでしょうか。」と話をまとめてフィードバックしましょう。
3 相談者が、本件と関係ない話をしたときには共通点を探しましょう。
(1)ときどき、相談者が本論と関係ない話を熱く語りだす場合があります。聞き手からすれば関係ない話に思えるかもしれません。しかし、相談者は「本件と関係がある」と思ったからこそ、話しているのです。
(2)「本件と、そのお話の共通点は〇〇ということなのでしょうか。」
(3)「なるほど、お父さんとの関係でも悩んでおられたのですね。そのこともあって、理不尽な要求に応じることに心理的な抵抗があるのですね。」「大人の対応ではないと気づきながらも、A部長の要求が理不尽だと感じると、どうしても応じれないのですね。」
4 相談者の考え方が正しいかについてコメントしてはなりません。
相談者の考え方が正しいことを前提にして、「相談者がなぜ、怒っているのか」「相談者が〇〇できなかった理由」を聞いてみましょう。
×「提出書類を何か月も出さなかったのであれば、それは、山田君も怒ると思います。」
〇「山田君の立場からすれば、提出書類を2か月も出せなかったとすれば、それは焦ると思います。」「ところで、〇〇さん(相談者)が2か月も提出書類を出せなかったのは何か事情があるのではないですか。」
「なるほど、〇〇の書類を無くしてしまったが、それを言い出せなかったのですね。」「そうだとすると、書類を出せなかった理由もあるわけですね。」
5 「前にも同じようなことはなかったですか。」と聞いてみる。
(1)相談者に問題がある場合は、以前にも同様の問題が起きている可能性があります。
(2)「以前は〇〇に務めてらっしゃったということなのですが、そのときにも同じようなことがありませんでしたか。」
6 相談者さんが、何かを変えれば、状況は変わりますか。
「〇〇さん(相談者さん)が、何かを変えれば、状況は変わりますか。」と質問して、相談者さんに自分の問題点に気付いてもらいます。
7 一緒に考える
(1)まずは、相談者の相談内容を客観的に整理しましょう。
(2)もし、相談者さんに落ち度がある場合には、そのことを気づいてもらうことから始めます。
(3)もし、メンバー同士の相性が悪いと考えているのであれば、ハラスメントにあたるかは別にして、職場の異動等も検討してよいでしょう。仮に、これを放置すればトラブルになります。
参考
今泉智樹「クライアントの信頼を深め 心を開かせる カウンセリングの技術」54頁以下