Q 即時取得について教えて下さい。
2025/11/16 更新
このページを印刷即時取得
即時取得は、他人のものであっても、正当にその動産の所有権を取得したと信じたことについて善意かつ、無過失で、その動産の引き渡しを受けた場合(占有を取得した場合)に自分のものとなる制度です。
| 即時取得の適用場面 1 ケース1 A → B → C という形で、動産が譲渡された。 「AとBの取引は無効であった。」 としても、Cは即時取得効の要件を満たせば、Cはその動産の所有権を取得する。 2 ケース2 A → B → C という形で、動産が譲渡された。 物権の原則として、権利者から譲渡を受けなければ、その権利を取得できない、という原則がある。 しかし、「Aが本当に権利者か不明である」 としても、Cは即時取得効の要件を満たせば、Cはその動産の所有権を取得する。 |
取得時効の要件事実
①動産について取引行為があること
②動産の引き渡しを受けたこと
①取引行為
動産の贈与を受けたことも①取引行為となる。
引渡し(占有)
1 占有の類型
占有には、①現実の引渡し (民法182条1項)、②簡易の引渡し (民法182条2項)、③ 占有改定 (民法183条)、④ 指図による占有移転 (民法184条)がある。
2 占有改定
③ 占有改定 (民法183条)は、売主などが売却後も引き続き物を占有し続ける場合に、売主が今後は、買主にのためにそのものを預かっているという意思表示を示す形の占有です。
例えば、ピアノを購入したが引渡し日までにピアノ屋さんが預かっているような状態を意味します。
(3)占有改定は、外形的な占有の移動はないために、即時取得は成立しない。
4 指示による占有移転
指示図による占有移転による即時取得を認めるかはケースバイケースである。
参考
岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 総論・民法1」349頁
悪意、有過失の抗弁
(1)悪意や、有過失は、即時取得が成立しないと主張する者の抗弁となる。
| 判例 即時取得を主張する者は、占有するものが他人のものであることを立証する必要はない(判例)。 民法の推定規定 (1)占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する(民法186条1項)。 (2)前主の占有は適法だと推定されるから、これを信じて取引した者は無過失だと推定される(民法188条) |
| 民法192条 即時取得 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。 民法188条 占有物について行使する権利の適法の推定 占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。 |






