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判例(生前、妻が管理していた妻名義の預金であるが、夫の収入を貯蓄したものであると認めれる場合には、その預金は夫に帰属する)

2025/10/29 更新

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事案

(1)夫は、妻と再婚した。

(2)妻が亡くなった。

(3)妻の死亡後に、夫は妻名義の預金を引き出した。

(4)妻の子は、夫に対し、法定相続分の預金相当額について不当利得返還請求をした。

判例

(1)「生前、妻が管理していた妻名義の預金であるが、夫の収入を貯蓄したものであると認めれる場合には、その預金は夫に帰属する。

(2)夫が働き、妻が夫の事業を手伝う等以外の収入がなかったことから、妻名義の預金は夫の収入を貯蓄したものであると認めた。

(3)妻の子の請求を棄却した。

東京高判令和5年8月3日 

判例タイムズ1536号173頁

解説

1 預金の帰属

(1)預金債権は、その預金の名義人ではなく、その預金するお金を支出した人に帰属する(客観説)。

(2)本件では、夫が働き、妻が夫の事業を手伝う等以外の収入がなかったことから、妻名義の預金は夫の収入を貯蓄したものであると認めた。

(3)したがって、妻名義の通帳を妻が生前に管理していたとしても、その預金は夫に帰属する、とされました。

2 贈与の主張

(1)妻の子は、妻が管理していた妻名義の預金に入金されていたことから、贈与を認定すべきだと主張しました。

(2)判決は、この主張については、夫が稼ぎそのお金を管理を妻に委ねた趣旨(夫婦共有財産)であり、贈与の事実は認められないとしました。

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