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刑事弁護の流れ

接見禁止の一部解除の申立て

2024/01/09 更新

接見禁止の処分

(1)例えば、共犯事件の場合、面会を自由に認めると、面会人が各共犯者から話を聞いて口裏を合わせるおそれがあります。その他の理由で面会できる者が制限されるのが接見禁止です。奥さんは面会できるが、それ以外の人間は面会できないという接見禁止もあります。

(2)被疑者本人に聞いてもいいですが、警察の留置担当者に聞くこともできます。

家族からの依頼

(1)家族や被疑者から、「●●も会えるように裁判所の許可をとってほしい。」と言われることがあります。

(2)このときの手続きが、接見等禁止一部解除の申立です。

(3)家族に、身分証をFAX等で送ってもらいます。どの人の接見禁止を解除するのは明確にするためです。

(4)家族等に、面会を認めるべき理由もヒアリングします。

具体的な手続(大阪地裁の場合)

提出先
(1)接見等禁止一部解除の申立は、申立書1通を裁判所まで持参又は郵送してます。

 申立書を2通用意して持参し、1通を提出し、もう1通に受領印を押してもらうこともできます。

(2)大阪地方裁判所の場合、提出先は、下記のとおりです。
               記 
  電話  06-6316-2993
  Fax   06―7650―0615
  名称  大阪地方裁判所 令状部 保釈係 
  場所  大阪地方裁判所の本館地下1階の令状部(分室)

記載の注意点
(1)宛名は「大阪地方裁判所 裁判官殿」もしくは「大阪簡易裁判所 裁判官殿」となります。宛先は、勾留状の発行裁判所で提出先の裁判所を確認する。

(2)最近は、弁護人の携帯電話番号を記載するように言われます。裁判所が直ぐに連絡をとるためです。

(3)勾留日を記載しなければなりません。例えば、「令和〇年〇月〇日付勾留について接見禁止処分について」と記載します。

 解除を求める内容については詳しく書かなければなりません。例えば、「接見一部解除(接見・物・書類)を求める。」と記載します。

添付書類
(1)接見禁止の一部解除の対象となる人物の特定のために、 住民票のコピー等を添付しなければなりません。検察官が開示すれば不要となる場合もあるが、これがないと許可がでないこともあります。なくとも、追完することを前提に、対象者からは住民票のコピー等を取り寄せる必要があります。

(2)私選の場合には、弁護人であることを確認する資料として、弁選のコピーが必要です。

文例

令和5年(記)第〇〇号 〇〇被疑事件
被疑者 〇〇
 
             接見等禁止一部解除申立書
 
                            令和5年4月〇〇日
大阪簡易裁判所 裁判官殿

                             弁護人 井上正人
                        (携帯電話 080-〇〇〇〇-〇〇〇)
 
上記被告人に対する上記被告人事件について、弁護人は下記のとおり令和5年4月5日の接見等禁止決定について、一部解除(接見・物・書類)するよう申し立てる。

1 接見禁止の解除を求める範囲
 名前      〇〇
 生年月日    昭和〇〇年〇月〇日
 住所      大阪市
 被疑者との関係 母
 
2 接見禁止の解除を求める理由
(1)被疑事実は、〇〇をしたととして、現在、〇〇吉警察に留置中である。
(2)被疑事実によれば共犯者が多数おり、関係者について聞き取り等が必要であり長期間の身体拘束が予想される。
(3)●●を考えれば被疑者と母が面会する必要性が高い。
(3)被疑事実によれば共犯者が多数いるが、いずれも、被疑者の友人関係等の範囲であって、被疑者の母が関与している可能性は低い。
(4)上記の者との接見を認めても警察官の立ち合いがされており証拠隠滅のおそれもなく、接見等禁止の一部解除するよう申し立てる。
                                   以 上

書式

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