【事業計画】計画書とWBS
2024/01/28 更新
計画書とWBS
(1)計画書を以下の7つのステップで考えてみましょう。
(2)WBSの考え方を参考に以下紹介します。
1 要求理解
要求理解とは何か
(1)経営陣、上司、注文者(以下、「オーナー」といいます。)の要求を整理します。
(2)計画の目的が明確になっていること、計画の実現のための課題が明確になっていることが必要です。これによって課題を克服しつつ、計画の目的を維持するために、どの要素を残して、その要素を変更していくか、計画変更を議論できます。
(3)「動画サイトを使って商品を宣伝する。」というオーナーの要求があるとします。オーナーの要求は全て「例えば」と理解します。オーナーが「動画サイトでの宣伝」を要求した背景があるはずです。仮に何らかの理由で、動画サイトでの宣伝が難しい場合に、オーナーの要求を満たす別の手があるかもしれません。
(4)オーナーの要求については以下を基準に分析をしてみましょう。
オーナーの要求を掘り下げ
例えば、以下の観点から、オーナーの要求を掘り下げる方法があります。
① オーナーの要求
例えば、「動画サイトでの宣伝」がオーナーの要求です。
② 現在の状況
なぜ、「動画サイトでの宣伝」をしようと思ったのか。現在の状況のどの点に不足があり、何を変えたいと思ったのか。
③ 問題意識
現在の状況がなぜ問題だと考えているのか。
④ 解決策
「動画サイトでの宣伝」以外にどんな方法があるのか。
なぜ、「動画サイトでの宣伝」が適切だと考えたのか。
⑤ 期待する成果
「動画サイトでの宣伝」をすることで、どのような成果を期待するのか。
仮にその成果を測定するとすると、どのような指標が適切か。
⑥ タスク
「動画サイトでの宣伝」をするため、プロジェクトメンバーに、どんなことを期待しているのか。
プロジェクトの条件の明確化
プロジェクトの条件を言語化して明確にします。
(1)予算は●、期限は●。
(2)例えば、「●日から、プロジェクトスタートさせたい」「A社との共同(両者の強みを活かす)必要がある。」等の事情もありえるでしょう。
(3)成果物には、●●する機能が必要です。
(4)プロジェクトの最終的な目標・数値
2 プロジェクトの定義
プロジェクトの定義
オーナーの要求を可視化し、プロジェクトの概要を明確化します。
●オーナーの要求(要求理解で深堀したオーナーの要求)
●プロジェクトの目的、メンバー、その他、重要な事項
課題の明確化
(1)計画の実現のための課題を明確にしておきましょう。
(2)課題は、高中低等で3段階に分けるよりも、123と番号を振って全て羅列する方がよいでしょう。適宜に課題の優先順を入れ替えて、かつ、常にトップ10を意識して進めて行くのがよいでしょう。
3 成果物の定義
成果物の定義
成果物の定義を行います。例えば、ソフトウェアの開発では、仕様書、設計書、ソフトウェア、プロジェクトマネージメントに分かれ、さらに、その中身が分かれます。
4 マイルストーンの定義
マイルストーンの定義
いつまでに、何をするのかを決めます。
●試作品の完成
●検収作業
●ベータ版としてリリース
●完成品の設計
●完成品の完成
5 プロセス設計
どのような方法・手順で計画を実行していくかを検討します。
プロジェクトの分割と手順
(1)「10の仕事を、10人で分割して、1年計画で行う」のではなく、プロジェクトを直列形式でスタートさせることが考えられます。10人で一つの仕事を、1か月で終わらせ、次の仕事を行う、直列形式にする。そうすれば、方向性の修正等がしやすくなります。
(2)プロジェクトの実現の課題をリスト化し、難しい部分からスタートさせます。その進捗によって計画の変更も行います。検証作業を予定に入れる。
アジャイル手法の採用、メンバーの選出基準、テストの方法
(1)アジャイル手法の採用、メンバーの選出基準、テストの方法を検討します。
(2)オーナーや、顧客のフィードバックを受け入れて訂正する場合には、どの段階で検証をするのか決めることが大切です。
検証のための指標の設定
(1)不確実性を含むプロジェクトについては、現在の進捗が順調かどうか、事業の成長性(プロジェクトの効果)が予想通りであるのかを測定する必要があります。このための指標の設定を検討します。
(2)「ある指標が●●となったら、中止を決定する」等の形で、客観的な基準を設けてもよいでしょう。また、いつ、誰が、指標をチェックするのか明確に消えておく必要があります。責任者と、その責任者の検証作業も具体的に決めて置くことが必要です。
6 スケジュール化
(1)プロセス設計時にタスクの手順を決めていますので、そこに日付を入れれば簡単なスケジュールは完成します。
(2)プロジェクトの計画を立てるということは、やったことがなく、何が起こるか分からないが、期限内に、約束した予算と人員で、約束した目標を達成する旨の計画を作ることになります。計画(人、お金、時間)に余裕を設けることも必要です。
7 ダスク分解
各メンバー(各部門)のタスクを細かく決めていきます。
ミーシー(MECE)を使う。
(1)計画では、漏れもダブりもあってはいけません。ミーシー(mece)を使ってチェックします。
(芝本 秀徳「誰も教えてくれない 計画するスキル」120頁)
(2)ミーシー(mece)は、モレやダブがないかをチェックする考え方です。
具体的には、「ミーシー(mece) フレームワーク 具体例」で検索すれば使い方が出てきます。
(3)例えば、ロジックツリーは以下のように使います。
特徴として、似た概念を列挙し、これを束ねる上位概念をチェックすることで漏れを防ぎます。
参考
芝本 秀徳「誰も教えてくれない 計画するスキル」