【遺言】遺言書の捜索
2024/03/23 更新
このページを印刷遺言の効力
遺言書に書かれている内容は絶対ですか?
遺言書があれば、遺言どおりに分けるのが絶対だと思われやすいですが、実は例外もあります。
遺言があれば、相続財産は遺言どおりに分けるのが原則となります。
遺言があったとしても、相続人全員(相続人以外の者が遺言で遺産を受け取るとなっていた場合には、その人を含む)が、遺言の内容を確認したうえで、遺言とは異なった遺産分割の合意(遺産をどう分けるかを決めること)をすることはできます。
遺言を探す必要があります。
遺言書があるかわからないのですが、探す必要がありますか。
遺言書は必ず探す必要があります。
後日、遺言を見つけた場合、既に成立した遺産分割協議(遺産をどう分けるかの合意)が基本的には無効です。
したがって、遺言書を探す必要ができてきます。
なお、相続人全員(相続人以外の者が遺言で遺産を受け取るとなっていた場合には、その人を含む)が同意すれば、遺言書を探さない(遺言書が出てきても、法定相続分で分割する)こともできます。
遺言を隠すと、遺産を受け取る権利を失います。
遺言書が見つかって、隠した場合はどうなりますか。
遺言書を隠した場合、遺産を受け取る権利を失います。
絶対にやめましょう。
遺言を隠した場合には、相続財産を受け取る資格を失う可能性もあります(民法891条5号)(相続欠格)。
これは相続人欠格という制度です。遺言の改ざん等を防ぐために、きびしい規定が設けられています。
遺言を探す場所
- 銀行の貸金庫を探してみましょう。
銀行の担当者が遺言の作成を手伝っているケースもあります。銀行の担当者に聞いてもよいでしょう。 - 仏壇、貸金庫等の中を探してみましょう。
- 公証役場に問い合わせましょう。
公正証書で遺言を作れば、公証役場で登録されます。全国どこの公証役場でも、問い合わせが可能です。公証役場に問い合わせて、必要書類を確認することになります。 - 法務局に問い合わせましょう。
自筆証書遺言を法務局で預かるという制度がスタートしています。法務局に問い合わせて、必要書類を確認することになります。 - 税理士、弁護士、保険屋さん、銀行の担当者等のお金の相談をしていた人に、遺言の有無を確認する必要があります。
検認
自筆証書遺言(「法務局において保管されていた自筆証書遺言」を除く)を見つけたときには、家庭裁判所で、検認の請求が必要です。
公正証書による遺言、法務局において保管されていた自筆証書遺言については、検認の手続は不要です。
検認の手続は、遺言書の保管状況を裁判所が記録する手続きです。例えば、令和2年4月1日に、遺言の検認手続をしておけば、検認手続以降に、遺言が改ざんされることを防げます。