(相続人の親族の)特別の寄与
2024/10/06 更新
このページを印刷(相続人の親族の)特別の寄与
(1)寄与分を請求できるのは、共同相続人だけでした(民法904条の2)。
(2)相続人の親族が、相続財産の増加に(特別の)寄与した場合には、民法1050条の特別の寄与を請求できます。
特別の寄与を請求できる者
特別の寄与を請求できるのは、共同相続人の親族だけです。
特別の寄与
(1)被相続人の事業に寄与したと主張する場合には、被相続人の事業に従事した等の事情が必要です。
相続人が通常行うような程度であれば法定相続分として考慮されています。被相続人の事業について手伝った程度では難しく、無償もしくは薄給で事業に従事していた等の事情が必要です。
(2)被相続人の療養看護に寄与したと主張するのであれば、見舞いに行った程度では難しく、継続的に療養看護したことが必要です。
(3)民法904条の3の寄与では、被相続人の生活費を援助をしていた場合「財産条の給付」について寄与にあたると認めています。しかし、民法1050条は記載されていないので、被相続人の事業に寄与をしたり、被相続人の生活費を援助した等の事情については、特別の寄与にあたらない、と言われています。
特別の寄与の請求
(1)特別寄与料の請求は、相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、請求できなくなります(民法1050条の2項)。
(2)相続人が数人ある場合には、相続人は、その相続分(遺言による相続分の指定がされていないときは法定相続分、相続分の指定がされてるときは指定相続分)を乗じた額を負担します(民法1050条の5項)。
民法1050条 特別の寄与 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。 2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。 3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。 4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。 5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。 |