判例(バーチャルYouTuber(Vtuber)の名誉権侵害)
2024/06/19 更新
このページを印刷バーチャルYouTuber(Vtuber)
バーチャルYouTuber(Vtuber)とはなんでしょうか?
バーチャルYouTuber(Vtuber)は、実在の人物に代わって、架空のキャラクターがその言動を録画して投稿等を行うものです。
バーチャルYouTuber(Vtuber)については、実在の人物が、架空のキャラクターの衣装をまとうような形で、実際には自身の体験・考えを語る場合や、企業等が架空のキャラクターの人物設定をしており、架空の体験・考えを語る場合(中の人が実在しないケース)があります。
判例
バーチャルYouTuber(Vtuber)の名誉権を侵害するようなインターネットの記事があった。
架空のキャラクターとして活動しているが、架空のキャラクターの衣装をまとうように、実際には実在する人物が、自身の体験経験を語る場合には、その記事は、架空のキャラクターを演じている生身の人の名誉感情を侵害するものであるから、当該人物の名誉感情を侵害するものとして、当該記事に関する発信者情報の開示が認められます。
(令和4年8月31日大阪地判)
参考
判例タイムズ1501号202頁
解説:バーチャルYouTuber(Vtuber)の名誉権侵害
バーチャルYouTuber(Vtuber)については、①架空のキャラクターとして活動しているが、架空のキャラクターの衣装をまとうような形で、実際には自身の体験経験を語る形での表現行為を行っている場合や、②企業等が架空のキャラクターの人物設定をしている場合(中の人が実在しないケース)があります。
本件では、①の場合に、バーチャルYouTuber(Vtuber)に対する名誉権の侵害が、①を演じている実在の人物の名誉権の侵害になるとした判例です。
発信者情報開示請求
例えば、あるサイトで、不適切な書き込みがあり、これによって名誉を侵害されたとして、損害賠償をするために、書き込んだ人の氏名、住所を把握することが必要になります。
本件にて、原告は、経由プロバイダに対し当該書き込みに使われた回線のプロバイダ契約の氏名等の開示の請求をしています。