判例(書籍の題名は、不正競争防止法の「商品等表示」に該当しない)
2025/05/07 更新
このページを印刷不正競争防止法の「商品等表示」
(1)不正競争防止法の2条1項1号、2号は、周知もしくは著名な「商品等表示」を第三者が使うことを禁止しています。
(2)商品等表示は、氏名、商号、商品の容器、包装のことをいいます。これらには、その商品の販売する者が誰であるかを表示する機能(出所表示機能)があります。
(3)これに対して、書籍の出所は発行者等の表示されており、書籍の題名は、書籍の内容を示すに過ぎず、商品等表示にあたらない。
判例(書籍の題名)
東京地判平成26年8月29日 裁判所HP (平25(ワ)28859号 「巻くだけダイエット」事件)
「バンド1本でやせる! 巻くだけダイエット」 という書籍について、45万部、107万部の売上があるとしても、その題号について、商品等表示にあたないとした。
大阪地判平成20年5月29日裁判所HP(平19(ワ)14155号「時効の管理」 事件)
「時効の管理」 という書籍の題号について、商品等表示にあたないとした。
判例(映画の題名)
映画の題名も、 書籍の題号と同様に、 本来出所を表示するものではないため、不正競争防止法の 「商品等表示」に該当しない。
東京地判平成16年7月1日裁判所HP (平15(ワ)19435号 (超時空要塞マクロス事件)判 決)
「超時空要塞マクロス」 という映画の題名について、マクロスという表示がテレビアニメ及び劇場版アニメの題名として広く知られていたとしても、その映画の題名について、商品等表示にあたないとした。
東京地判令和6年7月8日
「牧野日本植物図鑑」という題名についても、 書籍の題号は、本来出所を表示するものではないため、不正競争防止法の 「商品等表示」に該当しない。
判例タイムズ1530号236頁