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不貞行為(浮気)がある場合の離婚合意の注意点

2024/07/01 更新

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不貞行為がある場合の離婚合意の注意点

(1)不貞行為(浮気)が原因で離婚する場合には、浮気した側としては、離婚合意書に、「不倫相手に対する請求を放棄する。」という文言も入れておく必要があります。

(2)仮に上記の文言が入っていない場合、相手方が離婚合意書にて合意した後に、不倫相手に訴訟をするリスクがあります。

不真正連帯債務

(1)例えば、夫が女性と浮気したとします。さらに、その女性も夫が既婚者であると知っており過失があるものとします。

(2)上記ケースでは、妻は、夫だけでなく、浮気相手の女性にも損害賠償請求ができます。

(3)その後、妻が夫との間で離婚合意書を締結したとしても、「妻が不倫相手に対する請求を放棄する。」という文言が入っていなければ、妻は、その不倫相手に慰謝料請求訴訟を提起することができます。

慰謝料請求訴訟の流れ

(1)妻と、浮気相手の女性との訴訟はどのような訴訟になるのでしょうか。

(2)妻が夫から、離婚合意書の内容によって実質的に慰謝料全額を回収していった場合には、妻は夫と浮気相手の女性から二重に請求はできません。

 浮気相手の女性は、妻に対し、「離婚合意書にしたがって、実質的に実質的に慰謝料全額を回収している。」との反論をすることになります。

 また、夫が結婚していることを浮気相手の女性に黙っており、その女性が知らないことに過失がない場合にも、その女性は責任を負いません。

 その女性は、妻に対し、「自分は、夫が既婚者であるとは知らなかった。過失がない。」と反論することになります。

慰謝料請求訴訟のリスクとは何か。

(1)仮に、妻が不倫相手の女性に訴訟をした場合、離婚合意書を締結した夫のリスクは以下のとおりです。

 ① 当該訴訟の証人として呼ばれる。当該訴訟において、不倫相手の女性から訴訟についての協力を求められる。
 ② 不倫相手の女性が妻に慰謝料を支払うと、不倫相手の女性と夫との間で、責任割合の問題が生じます。  
  理論上は、二人で、妻に損害を与えたことになるので、不倫相手の女性から夫に対し一部負担の請求がありえます。

(2)現実問題として、①の事例はときどきあります。

(3)②については、理論上の問題です。現実に問題化した例はほとんどありません。
 なぜなら、浮気相手の女性は妻に対し、「離婚合意書にしたがって、実質的に実質的に慰謝料全額を回収している。」との反論をすることになり、夫が妻に支払った慰謝料額も認定されます。
 したがって、浮気相手の女性は自身の責任額に限って妻に支払うことになり、多めに支払ったとして、夫の責任額について求償される自体は生じないからです。

不貞行為がある場合の離婚合意の注意点

(1)以上をまとめると、不貞行為(浮気)が原因で離婚する場合には、浮気した側としては、離婚合意書に、「不倫相手に対する請求にを放棄する。」という文言も入れておく必要があります。

(2)しかし、相手方がこれに同意してくれない場合があります。このような場合にはどうするべきでしょうか。

「不倫相手に対する請求にを放棄する。」と入れない離婚合意書

(1)不貞行為(浮気)が原因で離婚する場合、慰謝料額は200万円程度となります。

(2)しかし、浮気した側が、財産分与のほかに、慰謝料200万円を支払えない場合には、「不倫相手に対する請求にを放棄する。」という文言も入れずに離婚合意書合意書を締結することも多いです。

(3)そもそも、浮気した側が、財産分与のほかに、慰謝料200万円を支払える場合には、「不倫相手に対する請求にを放棄する。」という文言も入れてもらうべきですから、これを入れずに合意書を締結できない、としっかりと主張すべきです。

(4)しかし、和解したほう得なケースもあります。
 まず、離婚合意書に、「不倫相手に対する請求を放棄する。」という文言が入っていなかったとしても、離婚合意書を締結できなければ、相手方は第三者に対して訴訟する権利を有しています。

 つまり、 「不倫相手に対する請求を放棄する。」という文言が入っていない離婚合意書は、訴訟となるリスクを生むのではなく、そのリスクを消せないだけなのです。

(5)仮に、ここで離婚合意書を締結できなければ、はじめから離婚の交渉をすることになります。調停手続となるのか、訴訟になるのかは不明ですが、弁護士費用を含めたコストの増大が予想されます。

(6)紛争解決に100点満点はありません。後日、リスクがあるとしても、解決に一歩進むという意味では、「不倫相手に対する請求にを放棄する。」という文言も入れずに離婚合意書合意書を締結するメリットがあることになります。

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