判例(犯罪の履歴についても、一般人の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、その削除をサイト運営者等に請求することができる。)
2024/06/19 更新
このページを印刷事案
犯罪の逮捕歴がツイッターで掲載された。
犯罪事実については罰金を納付していた。
逮捕から8年が経過していた。
逮捕についての報道記事も既に削除されていた。
判決
上記の事実関係において、犯罪の逮捕歴がツイッターで掲載されることによる「公表されない法的利益」は、一般人の閲覧に供し続ける理由に優越するので、その削除をサイト運営に対し請求することができる。
(最判令和4年6月24日)
参考
判例タイムズ1507号49頁
解説
逮捕の事実を、他人に知られたくないという権利は、プライバシーとして、公表されない法的利益として認められています。
これに対して、ツイッターは、利用者は個人が情報を発信し、かつ、情報を取得する手段として利用されており、一般人の閲覧に供し続けることについても法的利益が存在します。
本判決は、以下の事情のもとで、犯罪の逮捕歴がツイッターで掲載されることによる「公表されない法的利益」は、一般人の閲覧に供し続ける理由に優越するので、その削除をサイト運営に対し請求することができる、と判断しました。
(ア)犯罪の逮捕歴がツイッターで掲載された。
(イ)犯罪事実については罰金を納付していた。
(ウ)逮捕から8年か経過していた。
(エ)逮捕についての報道記事も既に削除されていた。