最判令和8年3月18日(被保佐人になったことが警備員の欠格事由となるとする旧警備業法は、憲法14条及び憲法22条に違反し違法であるとした判例)
2026/02/23 更新
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(1)警備業をしていたXが、被補佐人となった。警備業法は、「被保佐人になった場合には警備員の欠格事由となる。」としていたために、平成29年3月、同人は退職となった。
(2)令和元年6月、警備業法が改正され、上記の条項は削除された。
(3)Xは、警備業法が憲法14条及び憲法22条に違反するとして国家賠償請求をした。
(4)最高裁は、被保佐人になったことが警備員の欠格事由を規定していた旧警備業法は、憲法14条及び憲法22条に違法であるとした。
(5)Xが違法な法律を廃止する義務があるのにこれを怠った立法不作為によって精神的損害を被ったとして、慰謝料請求をしていた。
立法不作為については、国会の裁量が尊重されるため、明らかな義務があるのに不合理な長期にわたり放置された場合に限って違法となる(立法不作為の違憲審査)。
最高裁は、本件の立法不作為については、国家賠償法上違法とは言えない、として慰謝料請求を認めなかった。
最判令和8年3月18日
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-95548.pdf
解説
1 旧警備業法の違憲
(1) 旧警備業法は、「被保佐人になった場合には警備員の欠格事由となる。」として規定しており、憲法22条が保証する職業選択そのものを制限する。憲法上の権利を制限するものであるから、その制限を簡単に認めることはできない。
(2) これに対して、警備業務については多種多様な業務があり、例えば、交通誘導業務(警備業法2条1項2号)についても、被保佐人だからといって、これを遂行する能力を欠くとはいえず、必要以上の制限を課している。したがって、旧警備業法は、憲法14条及び憲法22条に違反し違法である、と判断されました。
2 立法不作為の違憲審査基準
(1)立法不作為については、国会の裁量が尊重されるため、明らかな義務があるのに不合理な長期にわたり放置された場合に限って違法となる(立法不作為の違憲審査)。
立法不作為について、判例は、国会賠償法上の違法(損害賠償が認められる違法)になるのは例外的な場合に限られるとしています。
最高裁は、本件の立法不作為についても、国家賠償法上違法ではない、として慰謝料請求を認めませんでした。






