建物の定期賃貸借
2024/08/27 更新
このページを印刷(更新のない)建物の定期賃貸借を締結するには、①賃貸借契約書にその旨を明記すること(借地借家法38条1項)、②賃貸借契約書の前に、定期金貸借であること(更新のないこと)記載した書面を交付してその旨を説明すること(事前説明)が必要です(借地借家法38条2項、3項)。
上記の事前説明が無かった場合には、定期賃貸借は成立しません(契約の更新がないこととする旨の定めは無効です)(借地借家法38条5項)。
定期建物賃貸借契約の締結を委託された宅地建物取引業者が、上記の事前説明を怠った場合には、業務上の注意義務違反となります(東京地裁令和6年1月29日)(判例タイムズ152073頁)。
- 借地借家法
- 第38条 定期建物賃貸借
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。
2
前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
3
第1項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
(省略)
5
建物の賃貸人が第三項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
6
第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
(省略)