【解決策】ダイバーシティーと、その取り組み(対策)
2024/03/17 更新
ダイバーシティー
(1)ダイバーシティーとは、多様性という意味です。
(2)会社の経営者、管理職、社員に、女性、高齢者、障害者、外国人などの多様な人材がいることを意味します。
多数派と、少数派の相互理解
1 多数派と、少数派の相互理解
ダイバーシティーの取り組みは、多数派と少数派の相互の信頼関係を作るという意味で理解をし直すことも可能です。
2 多数派の本音
ここでは、フルタイムで働く、正社員の本音を代弁してみましょう。
(1)本音を言える自由
多数派は自由に発言できる環境があります。逆に少数派が意見を言いにくい環境にあることは気づきにくいところがあります。
(2)キャリアと公平
育児という事情があるとしても、労働時間が短い女性社員が、自分よりも評価が高ければ不満に思うでしょう。
(3)柔軟な働き方
自分はフルタイムで働ける環境にあるために、社員が在宅勤務をすることはコストの負担になります。
(4)失敗する自由
女性社員をリーダーとしてチームを組み、その女性社員に合わせて、会議の時間を調整したり等の様々な負担がチーム全体にのしかかっていたとします。仮に、そのチームでのプロジェクトが失敗した場合に、女性社員のリーダーに不当な評価をしがちです。
3 少数派の本音
ここでは、育児で、週に3日、1日5時間しか働けない女性社員の本音を代弁してみましょう。
(1)本音を言える自由
「日常業務でも、周りに明確をかけている。追加で、有休を消化したい。」とは言いにくい。
(2)キャリアと公平
短時間でも自分が働いて、これを評価させる仕組みがあれば、働きたい。
時間や、場所に捕らわれない自分に合ったキャリアパスを会社側でも用意してほしい。
(3)柔軟な働き方
育児等を考えると、在宅勤務等の選択肢はあった方がよい。
(4)失敗する自由
自分が失敗すれば目立ってしまう。基本的には会議等で発言をしたくない。
企業文化の改革
(1) ダイバーシティーの取り組みは、数字目標ではありません。
(2)例えば、労働時間に制約がある女性社員が平等に活躍できる職場にするのであれば、営業時間を短くする、会議を減らす等の取り組みが必要です。
(3)企業内での少数派グループの組織化を支援し、その意見の満足度の向上を目標にするなどの目標設定の工夫です。
少数派の本音と向き合う
(1)まずは、少数派の意見によりそうところから始めましょう。
(2)例えば、育児で、週に3日、1日5時間しか働けない女性社員がいたとしましょう。この社員が100%仕事に専念できる環境をみんなで創ることが大切です。
(3)仕事の仕組みを変えることができてこそ、ダイバーシティーのメリット(人材の確保や、多様な意見の活用)が可能になります。
(4)仮に、女性の活用の数字目標に依存すれば、混乱を招くだけとなります。
(5)もちろん、どこまで会社として寄り添えるか限界があります。一つ一つ会社が本気で向き合ってこれを会社としての方針として言語化していくことが必要です。
バイアス研修
(1)例えば、女性の役員が女性の意見を代弁せずに、役員会で、男性的な意見を述べることを強いられているかもしれません。
(2)①何がバイアス(偏見)にあたるのかを明確化にし、②これを見かけたときにとるべき対応を明確にしましょう。
例えば、アメリカのオフィスの会議で、ある日本人の社員についての評価を議論した時に、「彼は仕事ができるが、コミニケーションスキルが低い。」という意見があり、これに対して、「それは英語がネガティブかどうかの問題ではないか。」「言語の多様性を認めるべき。」という反対意見がだされるなど(ハーバードビジネスレビュー2024年4月号19頁の事例を引用)、①何がバイアス(偏見)にあたるのかを明確化にする研修と、②これを見かけたときにとるべきとの研修が必要です。
(3)少数派への支援(アライシップ)をいつ、どんなときに、どうやってすべきなのか、事例を通じた共有が必要です。
強みに基づく能力開発と公平な評価
(1)女性が女性の意見を活かして商品開発するのであれば、その特性を活かしやすい職種の案内と、社員がそのスキルを学ぶ環境が必要です。
(2)働く時間に制限がある社員が、対等に働ける職種があるのであれば、その特性を活かしやすい職種の案内と、社員がそのスキルを学ぶ環境が必要です。
データドリブン、フィードバック
(1)データに基づいて議論をすることは、バイアス(偏見)の排除に繋がります。
(2)本音を言う文化、その本音を肯定的に受け入れる文化(フィードバックの文化)がなければ、多様な意見を反映させることができません。
(4)これらの取り組みの達成が必要です。
モデルケースの社内共有
(1)少数派のなかでも、勇気をもって自分の意見を言ってもらえる人を探し、その人に社内の宣伝モデルになってもらうことも有益です。
(2)本音で体験談を語ってもらって、彼ら彼女らの意見を他の社員に知ってもらうことも大切です。
柔軟な働き方と公平な評価
(1)短時間勤務や、在宅勤務等のバリエーションを用意する必要があります。
(2)透明性ある議論を通じて、短時間勤務社員に対する評価制度を作る必要があります。
挑戦する文化
(1)在宅勤務は働き方の改革です。労働時間の短縮はビジネスモデルの変更が必要です。
(2)少子高齢化、労働者不足を踏まえて、ビジネスモデルの変化を肯定的に取られる実験的なチャレンジを進めて行く必要が有ります。
参考
ハーバードビジネスレビュー2024年4月号16頁以下
ハーバードビジネスレビュー2024年4月号26頁以下