Q 他人が撮影した写真には著作権があります。どのような場合に著作権が認められて、どのような場合に著作権が否定されるのでしょうか。
2025/08/09 更新
このページを印刷写真と著作権

撮影した写真に著作権は発生するのでしょうか。

ほとんどの場合には著作権が認められます。
他人が撮影した写真を利用する場合には、撮影者の著作権が問題となります。
写真は、機械的に被写体を再現するものですが、ほとんどの場合には著作権が認められます。
撮影者が素人であっても、意識無意識を問わず何らかの取捨選択がされており、著作権が認められます。
参考
星大介ほか「事例に学ぶ著作権事件入門 事件対応の思考と実務」6頁

ただし、著作権が認められないケースもあります。詳しくご説明しましょう。
写真の著作権性(創造性)が否定されるケース①
防犯カメラ等で撮影された写真等には創造性(芸術性)がなく著作物にはあたりません。
写真の著作権性(創造性)が否定されるケース②
平面の作品を真上から撮影したケース(書面の内容を伝える(写す)目的で、真上から撮影した写真)については、創造性(著作権)が否定されます。
判決
Xは、仮処分の書類を提出したという証拠として、書面を撮影した。この場合、原告は、書面の内容を伝える(写す)目的で、書面を撮影した。この写真をAが無断で利用した。
Xは写真について著作権を主張したが、裁判所は、写真の著作権性を認めなかった。
(東京地裁令和5年7月6日判決)
参考
判例タイムズ1514号248頁