有限責任事業組合対する判決(債務名義)の効力
2024/09/13 更新
このページを印刷有限責任事業組合
有限事業責任組合とはどのようなものでしょうか。
有限事業責任組合は、有限責任事業組合法によって設立した組合です。
株式会社の有限責任と、民法の組合の柔軟性(組織運営の自由)の両方の間をとった制度です。
有限責任
有限責任事業組合では、組合員その出資の価額を限度として、組合の債務について個人責任を負います(有限責任事業組合法第15条)。
しかし、組合員が、組合契約書どおりに、同組合に出資をしていれば、組合の債務について負いません(有限責任事業組合法第15条)。
加えて、組合員が、組合契約書どおりに、同組合に出資をしていなくても、本来出資すべき金額の限度でのみ、組合の債務について責任をおうことになります(有限責任事業組合法第15条)。
民法の組合と無限責任
民法上の組合は無限責任を負います。
つまり、組合の債権者は、各組合員に対し、その損失分担の割合で(債権発生当時にその損失分担割合を知らないときには平等の割合で)請求ができます(民法675条)。
民法上の組合に対する判決(債務名義)の効力は、民事訴訟法115条1項2号により組合員に全員に及びます。
有限責任事業組合対する判決(債務名義)の効力
有限責任事業組合対する判決(債務名義)に基づいて、組合員の個人財産に対し強制執行することはできません。
令和5年12月25日東京高裁
参考
判例タイムズ1521号63頁