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刑事弁護の流れ

Q 刑事当番で、私選弁護人として受任する場合には、どのように手続を進めるべきですか。

2025/12/29 更新

刑事当番の流れ

(1)私選弁護士費用を払えそうにない場合は、国選弁護人として受任することになります。
 (大阪弁護士会では、刑事当番で出動した弁護人は、国選弁護人としての受任義務があります。)

(2)私選弁護はやらないが、国選弁護はやる、という弁護士も(1)と同じです。

(3)私選弁護の弁護士費用を払える場合には、私選弁護人として活動します。

(4)私選弁護の弁護士費用を説明したが、費用について合意できなかた場合には問題となります。

私選弁護人として受任した場合

 この場合、当番弁護士としては、以下の活動をします。

(1)大阪弁護士会に、当番弁護の報告書を出す。
(2)弁護人選任届を出す。

私選での受任可能性がある場合

 (1)私選弁護人としての弁護士費用の説明

 私選弁護を受任している弁護士であれば、以下のように活動します。

(1)私選弁護の弁護士費用を説明する。
(2)家族等で支払ってもらえないか、を確認して、家族等に連絡して弁護士費用を支払えるか聞く。

(2)受任しない前提で、当番弁護の手続

 受任しない可能性もあるので、以下の当番弁護の手続きをします。

(1)大阪弁護士会に、当番弁護の報告書を出す。
(2)不受任の手続をする。

(3)1回限りの接見として相談内容を制限する

 黙秘権や、供述調書の作成、今後の手続、量刑相場のアドバイスはしますが、立ち入った話を聞くことは避けるようにします。

 緊急性がない限りは、家族等への連絡は避けます。

 1回限りの接見ですから、その範囲で終わるためです。

(4)国選弁護人の選任手続についての説明

 国選弁護人の選任手続について説明します。

 「当番弁護の弁護士は受任してくれなかった。したがって、国選弁護人を付けてくれ。」と裁判所に申し出るようにアドバイスします。

 被疑者の中には、当番弁護士が既に国選弁護人として選任されており、勾留質問の際に「弁護人は大丈夫です。」と回答して国選弁護人の選任請求をしない、ということが起こりえるので、この点は説明をする。

国選弁護の受任義務

(1)大阪弁護士会では、私選弁護で受けなかった場合でも、国選弁護の受任義務があります。

(2)しかし、私選弁護の弁護士費用を請求しておいて、それが支払われない場合に、国選弁護として受任してしまうと、トラブルになりかねません。

(3)この点は制度設計の問題でもあり、グレーな対応にならざるをえないでしょう。

参考

 水野遼「ノラネコ弁護士直伝刑事弁護Ⅰ捜査弁護」21頁以下

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