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労使紛争

Q 雇用契約以外の契約で個人に対し仕事を発注していたが、その個人(が加入する労働組合)から団体交渉の申し入れがあったが、団体交渉に応じる義務がありますか。

2026/02/01 更新

労働組合法の使用者

(1)労働組合法3条の使用者は、会社の指揮監督下で労務を提供して賃金を得る、労基法及び労働契約法上の労働者に限られず、会社との関係で同様の力関係にある者を含みます。

(2)労働組合法が上記のような解釈をするのは、、労働関係について話し合いを促進するために、実質的にその労働者の勤務関係を支配している者について、団体交渉に応じる義務を認めるためです。

(3)したがって、上記の判断材料としては、以下のことが考慮されます。

①組織への組み入れ
 例えば、専属の下請業者として紹介し、その仕事の進捗の報告を報告させて、仕事内容をチェックしている場合である。
②契約の定型的決定
 企業と、下請け業者が定型的な委託契約を締結し、下請け業者に交渉力がない場合である。
③業務の依頼を断れないこと
 下請け業者が主に、会社からの仕事で生計を立てており、会社の依頼を断れない場合である。
④報酬の労務対価性
 下請け業者の報酬が定型的に決まっており、時間や日給で支払われれているのと変わらない報酬体系になっている場合である。
⑤広い意味での指揮監督下があること
 企業が、下請け業者に対し、その仕事の進捗の報告を報告させて、仕事内容をチェックしているなど、指揮監督権の関係が認められること

判例

最判平成51年5月6日民集30巻4号437頁

 放送会社であるY社は、放送のために演奏が必要なときに演奏をしてもらう内容で、演奏者Xと出演契約を締結していた。出演契約の趣旨は、放送の都合上その都度、演奏者と交渉して個々の契約を締結する困難とわずらわしさを回避するためであった。演奏者XはY社以外の放送に出演することができたし、出演に要する時間以外は何ら拘束されるものではなかったが、Y社が必要があれば演出者Xに対し出演を依頼でき、演奏者Xも原則としてこれに従うべき関係があり、Y社の指示にしたがってそのとおり演出する必要があり、演出に何ら裁量がなく、演出契約に基づいて一律の出演報酬が払われているような場合には、演奏者Xは、労働組合法3条の労働者にあたる。

最判平成23年4月12日民集65巻3号943頁

 オペラ公演を主催するY社は、年間シーズンの全ての公演で演奏してもらうことを前提で、合唱団員Xと出演契約を締結していた。出演契約の趣旨は、年間シーズンの全ての公演で演奏してもらう者を確保するものであった。合唱団員はY社以外の放送に出演することができたが、Y社からの個別公演への出演依頼について、出産、育児、他の公演への出演等を除いて、事実上、断れないものとなっており、出演内容についてはY社の指示にしたがって演出する必要があり、演出に何ら裁量がなく、演出契約に基づいて一律の出演報酬が払われているような場合には、合唱団員Xは、労働組合法3条の労働者にあたる。

東京高判令和6年7月18日判タ1539号27頁

(1)予備校Y社は、年間を通じて講師業務を行ってもらうことを前提で、委託契約講師Xと委託契約を締結していた。委託契約の趣旨は、年間を通じて講師業務を行ってもらう者を確保するものであった。委託契約講師XはY社の指示にしたがって、時間割、授業内容が決められており、授業時間に、1時間当たりの単価を乗じてて報酬が決まっている場合には、委託契約講師Xは、労働組合法3条の労働者にあたる。

(2)委託契約講師Xが、組合活動をしたことを理由に、委託契約契約を更新しなかったことは不当労働行為にあたる。

(3)Xを組合員とする労働組合の団体交渉に対しYはこれに応じる義務を負うところ、これを拒否したことは不当労働行為にあたる。

(4)労働委員会が、委託契約講師Xの復職と、報酬相当額(バックペイ)の支払いを命じたことは違法ではない。

判例タイムズ1539号27頁

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