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労使紛争

退職勧奨の実際の流れ

2023/04/04 更新

退職勧奨

(1)退職勧奨は、会社と社員の合意に基づく雇用契約の終了です。

(2)会社が申し出て、社員が承諾して成立します。

(3)退職勧奨では、会社が退職の条件を伝えて、社員と話し合って、社員が同意して退職となります。

モデルケース

①社員の成績が振るわなかったこと

A社員

 「Bさん。今日は、Bさんの成績不振を考えて、別の会社で頑張ってもらった方がよい、と思っています。」「今日はその条件を話し合おうと思います。」

B社員

 「私は解雇されるのでしょうか。」

A社員

 「いいえ。解雇ではありません。」

 「会社として、Bさんに退職の条件を提案します。」「Bさんに承諾してもらって、雇用関係を終了させる、という話し合いです。」

 「会社からのお願いである、とイメージしてもらったらよいかもしれません。」

B社員

 「迷惑をかけていることは分かっているつもりです。」「しかし、生活もあるので、いきなり言われても困ります。」

A社員

 「先に結論をいうと、3月末日締めの給与は4月10日払いです。その給与はもちろん支払います。3月末日を退職日とする代わりに解決金として40万円を支払う形で、合意してほしい、と思っています。」

B社員

 「今すぐ、答えないといけないですか。」

A社員

 「今すぐ回答する必要はありません。」「しかし、この条件を飲んで頂くのが双方にとってベストだと思っています。」「その理由を今から説明します。」

①社員の成績が不振であること

A社員

 「Bさんは、1月15日に会計担当者として入社頂きました。」「履歴書にも、前職で会計業務をしていた、と書かれており、面接のときにも、『会計は一通りできます。』と答えておられてたのは覚えていますか。」

B社員

 「はい。」

A社員

 「2月にBさんの入力にミスが多いと問題となって、2月20日に話し合ったのは覚えいていますか。」

B社員

 「覚えてます。」

A社員

 「そのときに、『実際には、会計を担当する部署にいたけれども、数字が苦手で他の仕事をやっていた。』ということをおっしゃいましたね。」

B社員

 「正確には違います。」

A社員

 「正確かどうかを議論すると本論を外れます。」「話を変えます。」 「2月10日から一週間分のBさんの入力データをCさんにチェックしてもらい、3月に再度、『ミスが多い。』と指摘を受けましたよね。」

B社員

  「それはそうです。」

A社員

 「当社としては、Bさんの仕事を別の人がダブルチェックすることになり、仕事が増えている状態になっていることは理解していますね。」「そして、その後も、3月25日に、Dさんが注意されましたよね。」

B社員

 「それは、Dさんも良くないところがあって。。。」

A社員

 「ごめんなさい。会社としては、Bさんを会計の担当者として雇いました。Bさんも、会計の経験があると回答しました。しかし、会計の仕事がうまくできていない。そのことは否定できないのではないですか。」

B社員

 「がんばります。」

②このまま会社にいるメリットがないこと

A社員

 「Bさんを見ていて、真面目に仕事をされていることは感じています。」「しかし、Bさんが会計業務に適性があるとは思いえないのです。例えば、半年後に、Fさんや、Dさんと同レベルでミスなく仕事ができるイメージがありますか。

B社員

 (反論せず、沈黙。。。)

A社員

 「少なくとも、Bさんは真面目に仕事をしてくれる方です。しかし、今回のお仕事が合わなかったのではないか、と考えて負います。」「仮に会計業務を除くとすると、弊社の規模では、適切な業務が見つかりません。」「率直に行けば、Bさんに合いそうな別の会社を探した方がメリットがある、と思っています。」

③転職することに、デメリットが無いこと

A社員

 「今回、社長に頼んで、解決金として40万円を用意しました。」「これは、2か月分の給与相当額を解決金として支払うということです。」「もちろん、いったん無職になるデメリットもありますが、2か月間あれば次の職を探すことができると思います。このまま、当社で働くデメリットを考えると、双方にメリットがある提案だと思っています。」

B社員

 「今すぐ返事できないので、主人と相談して回答します。」

A社員

 「もちろん、OKです。」

④解決金について守秘義務をかす

A社員

 「最後に、解決金として40万円を用意したこと」「退職について他の社員と相談しないことを約束して下さい。」「仮にこれを漏らした場合には、解決金の提案を白紙します。」「別途、処分を検討します。」

 「私もそうですが、100%会社に満足している社員はおりません。2か月分の給与をもらえるなら私も辞めたい。」「そんな社員が大量に出てきたら、会社も解決金を支払うお金がありません。」「社員が一斉にやめると、業務が一時停止することもありえます。」「したがって、今回の提案を、他の社員と相談することは禁止ます。」

 「もちろん、家族に話されるのは大丈夫です。」

B社員

 「分かりました。」

⑤会社としての条件を再度説明する。

A社員

 「会社としてのの条件を説明します。3月末日締めの給与は4月10日払います。3月末日を退職日とする代わりに解決金として40万円を支払う形で、合意してほしい、ということになります。」

 「私の携帯電話を教えておきます。他の社員がいる前で、話すことはできないので、本件の回答は、私の携帯電話に電話して回答して下さい。」

B社員

 「分かりました。」

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