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労使紛争

就業場所と業務範囲

2024/02/14 更新

労働条件通知書と、就労場所、業務内容

(1)雇用条件通知書に、就労する場所や、業務の内容を記載しなければなりません。

(2)令和6年4月1日により、入社時の就労場所と、入社時の業務内容、就労場所の変更範囲、業務内容の変更範囲を記載することが必要です(労働基準法施行規則の改正)。
(3)入社後、就業場所や、業務内容が変更になる場合があります。そこで、変更の範囲を記載することが必要です。

業務の内容入社時  事務一般   
変更範囲 全ての業務
就労場所入社時  大阪営業部  
変更範囲 リモートワークや、全ての支店(全国の支店を含む)

「同一賃金、同一労働」と職務範囲

(1)パータイム・有期雇用労働法では、パート・有期労働者と、無期のフルタイム労働者との間に不合理な待遇差を禁止しています(同法8条、9条)。

(2)賃金の決め方としては、社員の経歴を中心とする職能給と、今やっている仕事を中心とする職務給があります。

(3)判例は、人事異動があること(職能給であること)を前提に、正社員を確保する目的として、基本給、賞与、退職金に差を設けることが許容しています。

(4)メンバーシップ型雇用(日本型の企業)では、人事異動を命じ、いろいろな部署での経験をさせてキャリアを積ませます。会社が人事異動を命じます。正社員が現場を知るために、単純作業に従事することになったとしても、給与を下げることはできません。
 給与は、これまの経験を踏まえて査定することになり、現在の仕事だけで査定されることはありません。

(5)パータイム・有期雇用労働法(同一賃金、同一労働)を意識すると、正社員には以下のように、就労場所や業務範囲(少なくとも、業務範囲)を広く記載し、逆に非正規社員については、これらを制限して、差を設けることが大切です。

業務の内容入社時  事務一般   
変更範囲 全ての業務
就労場所入社時  大阪営業部  
変更範囲 リモートワークや、全ての支店(全国の支店を含む)

中途採用と業務範囲

(1)中途採用については、経験者採用であります。(即戦力を期待する)企業の本音としては、「業務を限定し、雇用期間を制限して、採用時に期待した成績を上げているかを審査して、これを下回る場合には雇止めをしたい。」というのが本音でしょう。

(2)現実論としては、人手不足から「無期雇用を希望する」採用希望者が多いため、無期雇用を選択せざるをえません。その場合には、「業務範囲を広くとっておいて、採用時に期待した成績を下回る場合には、別部署での適性を判断する。」人材のリサイクルを図ることが多いようです。

能力不足解雇と業務範囲

(1)「中途採用については、業務内容を制限していた場合、他部署での異動を命じなくても解雇を判断できる」というメリットがあります。中小企業の場合には解雇したとしても、社員がその企業に固執する可能性が低く大きくモメルリスクは少ないです。

(2)大企業の場合には、人事部としては、解雇トラブルは避けたいところでしょう。「業務範囲を広くとっておいて、採用時に期待した成績を下回る場合には、別部署での異動を命じる。」「これを拒否した場合には、解雇する。」という段階を経たいという、ニーズもあります。

 なお、経験者採用を前提としていた場合、新部署では新人扱いになりますので、当然、賃金を下げる合理的理由があります。この場合には、社員にとっては生活を維持する必要もあり、現実的には退職に追いやられます。

(3)採用時に期待した成績を下回る場合には、「別部署での適性を判断する。」人材のリサイクルを図る場合には、賃金の維持も検討が必要です。

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