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労使紛争

判例(妊娠中の女性に対する不利益な取り扱いは、原則として違法となる。)

2024/03/19 更新

最判 平成26年10月23日

(1)労働基準法65条3項は、 「妊娠中の女性が請求した場合には、軽易な業務に転換させなければならない。」と定めています。

(2)同請求に基づいて軽易な業務に転換した場合に、業種変更を理由として降格させることは、機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項に違反し違法となります。
 しかし、当該女性労働者が自由な意思に基づいて承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は、企業において、降格をさせるべき必要性と、機会均等の趣旨に実質的に反しないと認められる特段の事情が存在するときは、同法に違反しない。

(3)特段の事情があるかどうか、高裁で再度審理し直すべきと判断した。

最判 平成26年10月23日
判例タイムズ1410号47頁

広島高判平成27年11月17日

事案

(1)本件は上記判例の差し戻し審である。

(2)副主任の職位にあった理学療法士である社員が、労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な作業への転換を申し出た。業務内容が変わったことでに副主任の役職から外れることになった。育児休業に入り、その終了後について副主任に任ぜられなかった。

判決

 判決は、特段の事情が認められない不利益措置に当たるとして病院の人事権を違法、無効であると判断した。

解説

(1)妊娠、育児について育児休業法や、労働基準法において特別な権利が認められています。
(2)「同権利を行使について不利益に扱ってはいけない。」というだけでなく、これらの時期に、不利益処分があった場合には、その不利益処分は、それらの権利行使とは無関係であることを会社に説明する義務があることを認めた判例です。

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