判例(相続人以外の者が死亡保険金を受け取った場合に、相続人は遺留分侵害額請求権を行使できない。)
2024/03/18 更新
このページを印刷遺留分侵害額請求
遺留分は、相続人に保障される相続分のことです。
例えば、母が先に亡くなっており、被相続人の父の相続財産に子供二人が相続人だとします。
子の相続人の法定相続分は2分の1ですが、遺留分は4分の1となります。
上記の例で、父が長男に財産を全て相続させるとの遺言を書いても、他方の子は、遺留分(4分の1)相当額について金銭請求をすることができます。
これが、遺留分侵害額請求です。
相続人以外の者が死亡保険金を受け取った場合
相続人以外の者が死亡保険金を受け取った場合には、相続人は遺留分減殺請求権を行使できません(最判平成14年11月5日民集56巻8号2069頁)。
受取人が指名されている(第三者のためにする)生命保険は相続財産ではなく、遺留分減殺請求の対象にはならないからです。
第三者のためにする生命保険
保険契約者とは異なる者が保険金受取人に指名された生命保険を、第三者のためにする生命保険といいます。
参考
自由と正義2023年9月号17頁以下