審判(標準算定方式が改定された令和1年12月23日以前に合意された養育費の合意額について、事情変更があるとして、改定後の標準算定方式を使って養育費の額を変定めた)
2025/08/28 更新
このページを印刷養育費と婚姻費用の標準算定方式の改訂
(1)養育費と婚姻費用は、当事者の合意で決めることができます。
もっとも、当事者の合意で決まらない場合には、裁判所が定めた計算式(標準算定方式)で決まります。
(2)令和1年12月23日に、標準算定方式が改訂されてました。改定後の標準算定方式の方が養育費や婚姻費用がアップします。
(3) 令和1年12月23日以前に、古い標準算定方式で養育費や婚姻費用が決まった場合、一度、養育費や婚姻費用が決まってしまっているので、改定後の標準算定方式は適用されません。
養育費の変更
一度定まった婚姻費用や養育費についても、事情の変更があれば、その増減額を当事者は請求できます(民法880条)。
民法第880条 扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。 |
東京高審令和6年11月21日
標準算定方式が改定された令和1年12月23日以前に合意された婚姻費用の合意額について、事情変更が有る場合には、改定後の標準算定方式を使って養育費が決められました。
なお、①Yによる借金の完済、②Yが扶養義務を負う新たな子の出産、③Xの就労状況、収入の変化、④Yのの就労状況、収入の変化がしたことで、事情の変更が認められるとしています。
判例タイムズ1534号125頁