Q ケガの有無を疑われた場合、任意保険会社はどのような対応をしますか。その場合にどうすればよいですか。
2025/10/12 更新
このページを印刷ケガの有無を疑われた場合

車のキズの様子や、ドラレコの映像から、任意保険の保険会社が「交通事故の衝撃は小さかった。」「怪我があるか分からない。」として、治療費の支払いを拒んでくるケースがあります。

そのような場合にどうすればよいのでしょうか?

その場合の対応について以下、確認しましょう。
治療費(病院代)
病院代の支払い方法は、大きくは2つあります。
- 任意保険の保険会社に立て替えもらう。
- 健康保険で支払う。
なお、労災が活用できる場合には労災の活用も検討します。
任意保険会社の対応
1 任意保険会社の対応
任意保険会社としては、以下のように返事することがあります。
- 自賠責が使えるか、調査を受けてほしい。
- 「自賠責保険が使えるかどうか」を審査し、その後であれば、保険会社が立替払いをしてほしい。
- それまでは、健康保険を利用してほしい
というものです。
注意点
健康保険を使えば、3割の自己負担が生じてしまいます。
2 保険会社の対応理由
保険会社としては、衝撃が小さかったと予想されるため、ケガの有無を疑っています。
自賠責保険が使えるならもめる気はないが、自賠責保険が使えないなら、ケガと交通事故の因果関係を争う必要があるからです。

任意保険会社としては、自賠責保険が使えるなら、治療費の負担がないために、このような対応になります。
3 労災の活用
労災が活用できる場合には労災の活用も検討します。
労災を使えれば、治療費の自己負担は発生しません。
自賠責の調査
1 調査の結果
自賠責の調査については、病院の医師が「交通事故との因果関係がある。」という診断書を出してくれる限りは「自賠責については、最終的には使える。」と思われます。
医師が因果関係ありと診断している以上は、それを覆すのは難しいからです。
2 調査の協力
現実的には、自賠責の調査に対応する必要があります。
保険会社が依頼した調査員と面談し、ヒアリングを受けてもらうことが必要です。
病院での対応
1 病院代の支払い方法
保険会社の立て替え払いはあくまで、保険会社の判断で立て替え払いするものです。
したがって、保険会社が断ってくる以上は、健康保険を使うしかありません。
労災の活用
なお、労災が活用できる場合には労災の活用も検討します。
労災を使えれば、治療費の自己負担は発生しません。
2 病院の窓口
具体的な手続きは、病院の窓口にて、健康保険を使いたい、と説明することになります。
3 健康保険証とお金
健康保険を使う場合には、健康保険証と、治療代分のお金が必要です。
4 立て替えた病院代
病院代等を立て替えた場合には、後日、それらを計算して、保険会社に請求することになります。
保険会社が「怪我と交通事故との因果関係を争っている。」事案です。
被害者としては、病院代を立てたうえで、後日、その治療費を請求することになります。