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労使紛争

判例(大学の教員等の任期に関する法律5条1項1号の任期がみとめられた事例)

2025/08/08 更新

有期契約と5年の更新

1 5年の更新

(1)何度も更新を繰り返した場合や、更新するとの期待を生じさせた場合には、有期雇用は期限の定めのない無期雇用と同様の扱いとなります(労働契約法19条)。

(2)更新を繰り返し、契約期間が通算して5年を超えると、有期雇用は期限の定めのない無期雇用と同様の扱いとなります(労働契約法18条)。

2 大学の教員等の任期に関する法律の任期

(1)大学の教員等の任期に関する法律(以下、「任期法」という。)4条は、大学の教員について任期について定めることができるとし、その定めを置いた場合には、労働契約法第18条第1項の規定の適用については、同項中「5年」とあるのは、「10年」となる。

(2)大学の教員等の任期に関する法律(以下、「任期法」という。)4条は、大学の教員について任期について定めることができるとし、任期が定めらた場合、契約期間が通算して10年を超えて、有期雇用は期限の定めのない無期雇用と同様の扱いとなる。

3 任期法第4条
(1)任期法4は、任期を定めることができると規定している。

①教育研究組織の職
②助教の職
③特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職

(2)したがって、講師職について、大学が任期を定めており、その任期が延長されて5年を経過したが、10年は未だ経過していない場合には、同本件講師職が任期法4条が定める職に該当するか問題なります。

(3)任期法は、大学における教育研究の活性を図るために様々な人材を採用することを可能にするために特例を設けたものであるから、任期法4条が定める職に該当するかは、各大学の判断を尊重する尊重することになるだろう。

最判令和6年10月31日 判例タイムズ1533号17頁

大学において、介護士等の実務経験を有する教員が介護実習、現場実習を行っていた事情のもとでは、同教員は「大学の教員等の任期に関する法律4条の教育研究組織の職に該当する。そのため、同教員に任期が定めらた場合、契約期間が通算して10年を超えなければ、労働契約法18条の適用はない。

大学の教員等の任期に関する法律
第4条
1項 任命権者は、前条第一項の教員の任期に関する規則が定められている大学について、教育公務員特例法第十条第一項の規定に基づきその教員を任用する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、任期を定めることができる。
一 先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性に鑑み、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき。
二 助教の職に就けるとき。
三 大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき。
2項 任命権者は、前項の規定により任期を定めて教員を任用する場合には、当該任用される者の同意を得なければならない。


第五条 国立大学、公立大学法人の設置する大学又は私立大学の教員の任期
1項 国立大学法人、公立大学法人又は学校法人は、当該国立大学法人、公立大学法人又は学校法人の設置する大学の教員について、前条第一項各号のいずれかに該当するときは、労働契約において任期を定めることができる。
2項 国立大学法人、公立大学法人又は学校法人は、前項の規定により教員との労働契約において任期を定めようとするときは、あらかじめ、当該大学に係る教員の任期に関する規則を定めておかなければならない。
3項 公立大学法人(地方独立行政法人法第七十一条第一項ただし書の規定の適用を受けるものに限る。)又は学校法人は、前項の教員の任期に関する規則を定め、又はこれを変更しようとするときは、当該大学の学長の意見を聴くものとする。
4項 国立大学法人、公立大学法人又は学校法人は、第二項の教員の任期に関する規則を定め、又はこれを変更したときは、これを公表するものとする。
5項 第一項の規定により定められた任期は、教員が当該任期中(当該任期が始まる日から一年以内の期間を除く。)にその意思により退職することを妨げるものであってはならない。


第7条 労働契約法の特例
1項 第5条第1項(前条において準用する場合を含む。)の規定による任期の定めがある労働契約を締結した教員等の当該労働契約に係る労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項の規定の適用については、同項中「五年」とあるのは、「十年」とする。
2項 前項の教員等のうち大学に在学している間に国立大学法人、公立大学法人若しくは学校法人又は大学共同利用機関法人等との間で期間の定めのある労働契約(当該労働契約の期間のうちに大学に在学している期間を含むものに限る。)を締結していた者の同項の労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、当該大学に在学している期間は、同項に規定する通算契約期間に算入しない。
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