判例(年収1800万円の弁護士は労働者ではない。労働契約ではなく委託契約であるとされた。)
2026/03/28 更新
労働者性
(1)外注先と委託契約を締結していても、外注先が労働者に該当すれば、同人に対する残業代の支払い義務等、労基法の保護が与えられます。
(2)これに対して、専門性を考慮して高額の報酬で、かつ、労務の時間と連動しない形で定額の報酬を合意している委託契約については、報酬は労働の対価性がなく、委託契約となります。
判例
1 事案
(1)弁護士Xは、弁護士法人Yとの間で、年棒1800万円で1年間の委託契約を締結していた。
この時点で、弁護士Xは10年以上の弁護士としてのキャリアを有していた。
(2)弁護士Xと弁護士法人Yは、平成26年1月から令和4年まで、年棒1800万円以上で契約が更新された。
(3)平成29年、弁護士Xは事故で怪我を負い、その後は期限までに仕事を完了できないことが生じた。
(4)令和4年9月、弁護士法人Yは弁護士Xに、従前の条件では委任契約を更新しないとともに、年棒を1300万円とする提案をした。
(5)弁護士Xは、弁護士法人Yに対し、自身は労働者であるとして、無期労働者への転換申し込みをした。
(6)弁護士法人Yは、弁護士Xは労働者に当たらないとして、同申し込みを拒否して、両者の委託契約終了した。
2 判決
以下の事情を認定し、「Yは労働者ではない。」「労両者の委託契約終了した。」と判断した。
報酬
(1)弁護士Xと弁護士法人Yとの間の報酬は、年棒1800万円で高額である。
(2)専門性を考慮して高額の報酬で、かつ、労務の時間と連動しない形で定額の報酬となっていた。
指揮命令権
パートナー弁護士から、細かい指導を受けずに、広い裁量をもって仕事をしていた。
勤務場所・勤務時間
勤務場所や勤務時間についても、拘束が緩やかだった。
東京地裁令和7年2月13日
判例タイムズ1541号183頁






