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労使紛争

判例(抑うつ病(適応障害)を(8月に)発症し、発症の前月(7月)の時間外勤務が108時間、その前月(6月)の時間外勤務が100時間を超えていた場合には、精神障害の発症との間に、業務起因性が認められた。)

2025/10/05 更新

札幌地判令和6年3月15日

1 概要

(1)平成27年4月に、入社した。

(2)平成27年6月の時間外勤務は100時間を超える。

(3)平成27年7月の時間外勤務は、123時間を超える。

(3)平成27年8月にも長時間残業は続いていた。

(4)平成27年9月、抑うつ病(適応障害)を発症した。

2 判決

 抑うつ病(適応障害)を(8月に)発症し、発症の前月(7月)の時間外勤務が108時間、その前月(6月)の時間外勤務が100時間を超えていた場合には、精神障害の発症との間に、業務起因性が認められた。

判例タイムズ1535号200頁

解説

1 精神障害の労災認定について

(1)精神障害の労災認定について厚生労働省の認定基準がある。

(2)同基準を参考に、平均的労働者を基準として、業務の心理的ストレスが「強」と評価される場合には、精神障害の発症やこれによる自殺について相当因果関係が認められる。

2 心理的負荷が「強」とされる長時間残業

(1)同基準では、以下の事情があれば、「強」とされる。

・発症前の2か月連続して1か月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・発症前の3か月連続して1か月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合

(2)本件では、上記の労働時間に加えて、「機構・組織等の改革又は人事異動等による、急激かつ著しい職務
内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合」(「精神疾患等の公務災害の認定について」)に該当したと認定されたとした。

(8)120時間を超えると、業務起因性を認めるべきとされており、認定基準どおりの判断となります。

札幌地判令和6年3月15日

判例タイムズ1535200号頁

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