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労使紛争

判例(見極め期間1か月で雇用された従業員が、入社前にビラ配り等をしたことを理由として、同従業員が組合に加入していることを知らずに、雇止めした場合には不当労働行為にあたらない。)

2026/03/30 更新

不当労働行為

1 不当労働行為

(1)労働組合法第7条は、) 組合員であることや、団体交渉を理由とする解雇その他の不利益取扱い(第1号)を禁止してます。

(2)労働組合への加入、労働組合の正当な行為を理由とする解雇、賃金・昇格の差別等がこれにあたります。
(2)形式的に団体交渉に応じても、実質的に誠実な交渉を行わない場合も、正当な理由なく、団体交渉を拒否する

2 都道府県労働委員会に対する不当労働行為の救済申立

(1)「不当労働行為がある。」と判断する場合には、労働組合は労働委員会に対する申立てができます。
(2)労働委員会が、不当労働行為の事実があると判断した場合には、会社に対して、復職、賃金差額支払い、組合運営への介入の禁止等といった救済命令を出すことになります。

3 不当労働行為意思

(1)不当労働行為が成立するには、会社に不当労働行為の意思が必要であるとされています。

(2)解雇の事案であれば、団体交渉申し入れ以外にも正当な解雇理由があるかや、処分に至るまでの団体交渉の経過等が考慮されて、会社の行為について、不当労働行為の意思が認められるか、判断されます。

(3)また、解雇の有効と無効と、(その解雇が)不当労働行為にあたるかは、別々の問題であり、その解雇処分が、不当労働行為にあたらないとしても、解雇が無効となる可能性もあります。

東京地判令和6年5月30日判例タイムズ1541号197頁

1 事案

(1)見極め期間1か月で、その後は6か月で雇用する旨の雇用契約で、従業員を雇用した。

(2)その従業員が、入社前にビラ配り等をしたことが分かり、会社は、同従業員を雇止めした。

(3)組合は、同従業員について組合に加入させたことを会社に秘密にしており、会社は、同人が従業員であるとは知らなかった。

2 判決

(1)1か月は見極め期間であり、見極め期間が終了した他の社員とは6か月の有期雇用を締結していることからすれば、1か月の期間で雇止めすることは不利益取り扱いにあたりえる。

(2)しかし、不当労働行為が成立するには、会社に不当労働行為の意思が必要です。組合は、同従業員について組合に加入させたことを会社に秘密にしており、会社は、同人が従業員であるとは知らなかった。

(3)したがって、雇止めをしたことは不当労働行為にはあたらない。

(4)また、入社前(社員になる前の)のビラ配りは、労働組合の正当な行為ともいえない。

(5)したがって、これらは、入社前(社員になる前の)のビラ配りを理由とする雇止めも、不当労働行為にはあたらない。

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