年次有給休暇の事前申請義務
2025/03/03 更新
年次有給休暇
年次有給休暇は、一定期間勤続した労働者が取得する休暇です。「有給」で休むことができるます。つまり、取得しても賃金が減額されない休暇です(労働基準法39条)。
労働者に対しては、年次有給休暇の日数のうち年5日について、使用者が時季を指定して取得させることが必要です。
年次有給休暇の事前申請の義務
(1)年次有給休暇については、事前の申請を義務付けてもかまいません。
(2)最判昭和57年3月18日(此花電報電話局事件、判タ468号95頁)は、「年次有給休暇の申請については、前々日の勤務終了までに申請しなければならない。」という規定を有効としました。
これを受けて、就業規則では、2日前もしくは、3日前とする規定を設けるものが多いようです。
(3)これに対して、1ヶ月前に申請しなければならない、と規定することは、労働者の自由を著しく制限するので違法といえます。
(4)就業規則にて、「1週間前までに申請しなけえばならない。」と義務付けることは相当です。
参考
ビジネスガイド2024年9月号106頁以下