解決金の相場
2023/10/29 更新
解決金の相場
(1)退職の条件として支払う解決金の相場は、裁判の場合でも、月額給与の6か月~9か月が相場です。
(2)示談交渉段階では、月額給与の3か月~6か月で交渉をスタートさせましょう。
理由
(1)人手不足の世の中であり、3か月程度の期間があれば、再就職は可能です。
(2)従業員にとっても、嫌な職場環境から脱出しつつ、現在の生活水準を維持できます。
(3)会社としては、従業員に対し、「適性がない会社にしがみつくよりは、退職勧奨に応じた方が得だ。」との説明が可能です。
(4)訴訟になった場合の水準が6か月~9か月です。したがって、示談交渉の段階では、6か月分以上の提案をすることができない、という本音もあります。
労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析
(1)令和5年4月25日に、「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」という報告書が発表されています。
これは、厚生労働省からの調査依頼に基づき、独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)が実施した調査の報告書です。
(2)同報告書によれば、退職を争う訴訟になったとしても、96%の案件が退職を前提に金銭的解決で終了しているとのことでです。
同報告書によれば、退職を争う訴訟での解決金は、給与の6か月~9か月分が多いとのことです。
裁判上の和解について、解決金の月給表示
(2015年度「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」より引用)
労働政策研究・研修機構(JILPT)の報告書
「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」は下記のHPより取得できます。
2015年度版
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2015/0174.html
2023年度版
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0226.html
参考
ビジネスガイド2023年9月号22頁