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労使紛争

シフト制とトラブル

2023/10/27 更新

シフト制

(1)シフト制は、具体的な出勤日が決まっておらず、1か月等の一定期間ごとに勤務シフトを決める制度です。

(2)月曜日は出社できないと述べている社員に、月曜日に出社させることはできません。シフト制では、社員の希望を聞いて出社日を決める必要があります。

公平なシフト制の決定

(1)複数の従業員の希望を聞いて、シフトを決めることになります。

(2)しかし、シフトが減らされた社員は、モチベーションを下げて退社するかもしれません。写真の希望を聞きつつ、会社は公平なシフトを決める必要があります。

一方的なシフトの削除

(1)シフト制であるとしても、会社が一方的にシフトの出勤日数を減らせば、従業員が生活できなくなる可能性があります。

(2)シフトを不当に減らされたとしても、従業員が賃料請求訴訟を提起するケースもあります(東京地裁令和2年11月25日 シルバーハット事件)。

(3)会社としては、シフトを一気に減らすことはしてはいけません。

シフト制と出勤日数

(1)週に何日勤務する合意であったのかは労働契約の問題です。

(2)シフト制の場合、週に何日勤務するのか認定できないケースもあります。この場合、休業手当等が計算できません。

(3)逆に、この場合には当事者の合意で解決することが可能です。

(4)シフトを削らなければならない場合には、その理由を説明して、シフトを削る合意をすることも考えられます。

しばらくシフトに入ってない社員が、出社の希望をしてきたとき

(1)従業員が出勤希望をしなくなって数か月がたった。その従業員が出社希望をしてきたときに、これを拒めるか問題となります。会社としては、継続的に出社してくれる社員の方がありがたいのが実情です。

(2)しかし、従業員がシフトの希望を出さなかったことを根拠に会社が合意退職を主張したが、確定的な退社の意思表示がないとして、合意退職が認められなかったケースもあります(東京高判令和4年7月7日 リバーサイド事件)。

(3)社員が出勤希望を出さなかった場合には、会社のとしては、退社の意思を確認しておくべきということになります。

参考

 ビジネスガイド2021年12月号33頁以下

 ビジネスガイド2023年5月号12頁以下

 ビジネスガイド2023年11月号36頁以下

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