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労使紛争

退職勧奨では長時間の話し合いは禁止です。

2023/04/04 更新

退職勧奨

(1)退職勧奨は、会社と社員の合意に基づく雇用契約の終了です。
(2)会社が申し出て、社員が承諾して成立します。
(3)退職勧奨では、会社が退職の条件を伝えて、社員と話し合って、社員が同意して退職となります。

退職勧奨を話し合うことを命じてよいのか。

(1)(退職勧奨の話をするために)会議室に来てください。」と業務命令を出してもよいでしょう。
(2)業務上必要な事項については、会社は社員にこれを命じることができます。したがって、会社の説明を聞くこと(話し合いをすること)を命じてもかまいません。しかし、退職勧奨に応じるかどうかは社員の自由であるので、社員が退職を拒否したことを理由として、会社がその拒否を理由に処分をすることはできません。

退職の話し合い中に、「社員が帰りたい。」と言ったらどうするべきか。

(1)業務上必要な事項については、会社は社員にこれを命じることができます。

(2)例えば、話し合いが始まって開始5分しかたっていないのに、「社員が帰りたい。」と言い出した場合には、「退職勧奨に応じるかどうかは、あなたの自由です。しかし、会社の説明は10分で終わりますので、あと、10分話を聞いてください。」と外出を禁じてもよいでしょう。

(3)これに対して、30分程度過ぎた時点で、「社員が帰りたい。」と言い出した場合には、社員を帰らせるべきでしょう。

 退職勧奨に応じるかどうかは、社員の自由です。退席の自由を認めなければ、「退席が認められなくて、いやいや退職届に署名しました。」と言われかねないからです。

退職勧奨に適切な時間

(1)退職勧奨に応じるかどうかは、社員の自由です。長時間の話し合いを続けると、「退席が認められなくて、いやいや退職届に署名しました。」と言われかねません。

(2)1時間程度目安にするのがよいでしょう。1時間を超えれば、5分程度、休憩する等の休憩時間を入れてもよいでしょう。

(3)2時間を超えるようなケースでは、次回に話し合いを持ち越すべきでしょう。

参考

 ビジネスガイド2022年3月号102頁以下

 ビジネスガイド2022年11月号45頁以下

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