【裁判の期日】第1回期日の欠席
2023/10/16 更新
このページを印刷答弁書
(1)訴訟を提起した側の当事者を「原告」という。訴訟提起の際に、原告が、裁判所に対し提出する文書を訴状といいます。
(2)訴えを起こされた他方当事者を被告といいます。訴状に対し、被告の反論を書いた書面のうち、一番最初に出した書面は答弁書といいます。
(3)二回目以降に被告が出す書面は、準備書面と呼ばれます。
第一回期日の欠席
(1)裁判では、第一回期日に答弁書を出さなければ被告(訴えを提起された側)が負けるというルールがあります。
(2)訴状が被告に送達されて第一回期日が開かれました。しかし、被告は第一回期日に欠席しました。
この場合、裁判所は、被告が答弁書を提出する機会(反論する機会)を放棄したとして、被告が認めることができます(民事訴訟法159条3項)。
この場合、原告は証拠による立証をすることが不要になります。したがって、原告は証拠を提出する義務がありません。
(3)もっとも、公示送達の場合には、実際には、被告に訴状等を送達しておりません。公示送達の場合には、被告が行方不明であることから、裁判所に書類を貼り出すことで、法律上は書類を送ったと扱う制度です。
公示送達の場合には、被告は第一回期日を欠席します。その場合には、原告は証拠を提出して、裁判所は証拠を見て確認してから判決を下します。
(4)なお、実務的には、必ず第一回期日で結審するということはありません。裁判所は、「被告の様子を見てみたい。」「もう少し主張を追加してほしい。」と第2回期日が開かれることもあります。
民事訴訟法158条 (訴状等の陳述の擬制) 原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることがからなずしも において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨に主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。 3項 第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。 |
第一回の期日前に、被告側の弁護士がすべきこと
(1)被告側の弁護士は、第一回期日前までに、被告本人から委任状をもらって答弁書をださなければなりません。
(2)答弁書を出すには、被告から委任状をもらう必要があります。そして、委任状は裁判所に原本を郵送しなければなりません。時間に余裕があれば郵送でかまいませんが、期日がぎりぎりの場合にはこれを持参する必要があります。(裁判所の判断で、委任状が無くても許される場合もあります。)