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労使紛争

高齢者雇用と人事戦略

2024/08/24 更新

高齢者雇用と人事戦略

(1)人手不足を理由に、高齢者の雇用についても挑戦すべきだと言われている。
(2)高齢者の雇用については、以下の観点から工夫が必要です。

高齢者の特徴

(1)高齢者は年々体力が落ちていきます。体力等を考慮して毎年の業務内容を見直す必要があります。また、若者に比べれば柔軟性に劣り、未経験の分野は苦手であるともいわれます。

(2)会社のことを熟知しており、高度の経験・ノウハウを有しており、即戦力です。

(3)「知識・経験を活かしたアドバイザー業務や、相談役、指導役」、「従前どおりの仕事(前職と同じ仕事)」を依頼することになります。

従前の経験を活かせる仕事

(1)高齢者は、新しいことを覚えることが苦手であり、教育コストが高くなる、という指摘があります。
(2)高齢者の場合、新しいことを覚えるには、若年者よりも時間がかかることは事実です。しかし、もともと社会人としての経験と知識を有しており、これらを活かしやすい分野では若年者よりも教育コストが下がります。
(3)高齢者に依頼する仕事は、従前の経験を活かした仕事をお願いする必要があります。
 具体的には、「知識・経験を活かしたアドバイザー業務や、相談役、指導役」、「従前どおりの仕事(前職と同じ仕事)」を依頼することになります。

役職定年を設定する

(1)高齢者の雇用を続ければ、若手の雇用や、権限の獲得昇進を妨げる、という指摘があります。
(2)事業が成長し続ける以上は、高齢者の雇用が若手の雇用の妨げになることはありません。
(3)もちろん、役職定年を設けて、若手に昇給のチャンスを与える等の工夫が必要です。

人件費について再査定する

(1)高齢者の給与は高い。定年制を設けて高齢者を退職させなければ人件費が高騰する、という指摘があります。
(2)しかし、定年退職者について同じ仕事をさせるのであれば、高齢者は価値を生み出すスキルや経験を有しており、多くのケースでは従前と同額の給与を支払うに値します。また、引き続き雇用する場合、高齢者は離職の可能性も低い、といえます。
(3)したがって、離職のコストも計算して、適切な人件費を計算し、同額を支払う必要があります。

IT活用を支援する

(1) 高齢者がIT機器について苦手であることは否定できません。
(2) しかし、ひと手間かけてば、高齢者もIT機器を利用できます。これを理由に高齢者の雇用を否定する理由にはなりません。
(3)しかし、高齢者のIT活用には、若手より配慮が必要です。

高齢者のスキル、知識の伝承

(1)高齢者のスキル、知識には価値があります。

(2)企業としては、若手と一緒に仕事をさせて、その伝承を狙うなど、これらを活かすことが必要です。

柔軟な働き方や、健康、体力への配慮

(1)高齢者は、介護や、自分の体力等で、柔軟な働き方を要望します。
(2)労働時間や勤務地の配慮(リモートワーク)についての配慮を求めてきます。
(3)子育てや、住宅ローンのために働かざるをえない現役世代とは異なり、高齢者は、働きがいを見つける等(自分の仕事に誇りとやりがいをもてること)等の精神的なサポートを必要としています。
(4)柔軟な勤務体制としては、出勤日数・出勤時間を調整できたり、在宅勤務(リモートワーク)を選択できたり、休みやすい職場作りが必要となってきます。

参考

 ハーバードビジネスレビュー2022年9月号64頁以下
 ハーバードビジネスレビュー2024年9月号64頁以下

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