標準算定方式と年金収入
2024/12/11 更新
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標準算定方式を使って婚姻費用を計算する場合、年金収入があるとき、給与収入については、年金収入を直接加算するのではなく増額修正して計算する。
標準算定方式を使って婚姻費用を計算する場合、年金収入があるとき、事業収入については、年金収入を直接加算する。
(令和4年3月17日東京高裁決定)
参考
判例タイムズ1507号99頁
解説
標準算定方式を使って婚姻費用を計算する場合、事業所得と給与所得では計算方法が異なっています。
本判決は、「標準算定方式を使って婚姻費用を計算する場合、年金収入がある場合、給与収入がある場合には、年金収入を直接加算するのではなく増額修正して計算する。」と判断しました。
職業費とは、給与所得者として就労するために必要な支出であるが、経費として所得から控除できない支出です。例えばスーツ代等が考えられます。
給与所得の場合、事業所得との公平を考慮して、所得業費を控除して、所得を計算してきました。
したがって、年金収入をそのまま、給与所得の算定表に入れると、職業費を控除した計算になってしまいます。そこで、実務上は何らかの修正を入れてきました。
本決定は、実務を反映して判断を下したものです。